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不可解な選手起用、一貫性を欠く戦い方…クーマンは来季もバルサで指揮を執れるのか【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2021年05月16日

優勝争いを繰り広げたライバルに1勝もできず

すったもんだの末に残留したメッシはエースの貫禄を見せたが…。(C)Getty Images

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 こうして突貫作業でチームを立て直し、バルサは今年に入ってから快進撃を披露。最終盤までラ・リーガの優勝争いに絡んだ。ただ、その間クーマンは序盤の4-2-3-1に始まり4-3-3を経由し、現在の3-5-2とシステムを変更するも、ついに確固としたプレースタイルを築くことはできなかった。

 トランジションの速さを武器にした攻撃は迫力があり、それは得点の多さにも表われている。しかしその一方で、ボール支配率が高まっても安定した試合運びには繋がらず、事実、相手を90分間抑え込んだ試合は皆無に近い。

 さらに追い打ちをかけたのが、アスレティック・ビルバオを4-0で下したコパ・デル・レイの決勝を除いた大一番での勝負弱さだ。強豪との直接対決の相性の悪さもその一端で、ラ・リーガでもレアル・マドリーと2敗、アトレティコ・マドリーとは1敗1分けと優勝争いを繰り広げたライバルに対し、ついに1勝もできなかった。
 
「今シーズンのラストゲームの後、進退に関する質問に答えることができればいいんだけどね。会長(ラポルタ)は就任したその1日目から一貫して信頼を示してくれている。クラブとは2年契約を結んでいる。来シーズンもバルサを率いている自分の姿はイメージできているよ」

 レバンテ戦前、クーマンはこう心境を語っている。もっとも、その一戦においても中盤と右サイドバックが本職のセルジ・ロベルトをCBとして起用し、終盤に開幕以来、ろくに出場機会を与えてこなかったマーティン・ブライトワイトとリキ・プッチを立て続けに投入するなど選手起用は不可解さが否めなかった。

 得点が必要な状況でFWを前線に大量投入したかと思えば、逃げ切りを図るために人海戦術を採用することも躊躇しない。実際、なりふり構わず勝ちに行く姿勢が重要と公言しているが、しかしそれは「サッカーは極めてシンプルだ。勝つためには、相手よりも1つ多くゴールを奪えば事が足りる」というヨハン・クライフの金言に象徴されるクラブの伝統として根付いている攻撃精神に反するものでもある。

 そう、シーズンを通してクーマン・バルサに欠落していたのは、勝敗を超越したブレない戦い方である。

文●ジョルディ・キシャーノ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWeb』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事を翻訳配信しています。
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