――あなたは、「ヘタフェは煩わしい存在」とよく口にしますが、その意図はどこにあるのでしょう？

「事実に反することを批判されるからだ。記者だけでない。監督仲間もヘタフェは頻繁にプレーを寸断するチームと非難する。でも数字に目を向けると、そうした批判を口にするチームのほうが実際はファウルの数もプレーを寸断した機会も多かったりする。にもかかわらず、ヘタフェのほうが多いというイメージが定着してしまっている。標的にされやすいんだ」

――ですが、ヘタフェが最も実際にプレーした時間が短い（アクチュアルプレーイングタイム）という数字が明確な形で出ています。

「なら言うけど他にポジティブな数字があるのに、ほとんど話題にされないじゃないか。だからヘタフェに対するネガティブなイメージが定着するんだ。そういったデータはヘタフェだけのもの？ ヘタフェは誰と対戦する？ それも考慮に入れる必要があるはずだ。あるいはそういった試合でヘタフェのほうが積極的にゴールを目指したかもしれない。だったらプレー時間が短いのはヘタフェの責任ではない。でもヘタフェが絡むとイメージが定着しているものだから、悪者に仕立て上げられる。相手チームのほうがファウルの数もプレーを寸断した機会も多いにもかかわらずね」

――ではイエローカードの枚数（103）もファウルの数（574）もラ・リーガで最も多いというデータについてはどうお考えですか？ここまで明確な形で数字が出れば、疑いの余地はないように思いますが（スタッツは34節終了時点のもの）。

「もちろんだ。審判のジャッジにいちゃもんをつけるつもりはない。ただヘタフェは暴力的なチームというイメージが、カードの多さに繋がっている部分はあるだろう。なぜかって？相手の監督も記者も繰り返し口にするからだ。嘘も繰り返して言えば、真実になるものなんだ」
 

――審判も感化されているということでしょうか？

「感化されているというのとはまた違う。同じことを何度も何度も耳にすれば、似たようなファウルでもヘタフェだったら退場処分になり、他のチームだったらイエローカードで済むようになるんだ。ヘタフェが絡むと一つのファウルが何週間も話題になる。他のチームだったら勢いが余ったプレーとして片付けられるのにね。それがうちだと一発レッドだ」

――つまりメディア、監督、審判いずれもヘタフェを敵視するという構図が出来上がっているということですか？

「一つ確かなのは、かれこれ20分間、一つのことについてしか話をしていない。これはサッカーの話をするインタビューだろ？」

――ファウルの数、カードの枚数、プレーを寸断する機会の話をするのも、ヘタフェのサッカーや実際の試合のシチュエーションへの理解を深めることにはなりませんか？

「いいや、サッカーはまた別のものだ。でもヘタフェが絡むと、そういったことばかりが話題になる。しかも故意にしているからなおさらタチが悪い。他のチームだと当たり前のこととして受け止められるのにね。だから話題にもならない。それが毎週毎週繰り返されるんだ」