ファンも、メディアも、誰もがペップを愛している。
ロホ:そういえば、バルサ対バイエルン(第1レグ)の前日会見に行ったそうじゃないか。やめておけと言ったのに(笑)。
豊福:たしかにロホの言ったとおり、人、人、人でしたよ、会見場は。座る席もなかった。開始1時間前にはもう埋まっていて、外に特設の椅子が用意されたほどです。
ロホ:過去を振り返っても、さすがにそこまではなかったぞ。モウリーニョが来た時も含めてね。
豊福:会見前にまず写真撮影の時間があったんですが、それが終わらなくて。ペップはざっと2分間も壇上に立ってポーズを取らされていました。ファンも、メディアも、誰もがペップのことを愛している。影響力の大きさを改めて実感しましたね。
ロホ:だから私は他の記者に行かせたんだ(笑)。バルセロニスタは、いまだにあのサッカーが忘れられないんだろう。『マルカ』もその写真で1面を飾ったよ。「Pep vuelve al Camp Nou」(ペップがカンプ・ノウに戻ってくる)という見出しを打って。
豊福:ルイス・エンリケも間違いなく良い仕事をしています。ただ、ペップのインパクトが強すぎて、相応の評価を受けられていない。ちょっとかわいそうですよね。メッシを右サイドに、シャビをベンチに、ピケをスタンドに置くなんて、普通の監督にはできない芸当だ。
ロホ:バイエルンにも3-0だからね。枠内シュートはたったの1本しか許さず、それもDFに当たったもの、決定機とすら言えないものだった。バルサがこのまま3冠を達成すれば間違いなく拍手喝采を浴びるだろう。だが、それでもペップの域には……。
豊福:ペップにはカリスマがあるんでしょうね、ルイス・エンリケと違って。両者が試合前、カンプ・ノウのピッチに現われたときも、カメラの大半がペップの方に向いていました。
ロホ:ペップはカタルーニャ人ということもある。ルイス・エンリケはバルサでプレーしたが、地元の人間ではないからね。これも重要なポイントだ。個人的には、ルイス・エンリケのことは評価しているんだがね。ペップはセットプレーの練習をほとんどやらなかった。ルイス・エンリケはしっかりと準備した。それが結果としてしっかりと表われている。
豊福:結果を出してもペップの存在が大きすぎて正当に評価されないという、どこかかわいそうなルイス・エンリケ。ペップのカンプ・ノウ帰還とそれにまつわる騒動を見ていると、なんだかルイス・エンリケに声援を送りたくなってきました。
構成・文:豊福晋
協力:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ紙) Luis Fernando ROJO(MARCA)
【著者プロフィール】
豊福晋
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
Luis Fernando ROJO
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
豊福:たしかにロホの言ったとおり、人、人、人でしたよ、会見場は。座る席もなかった。開始1時間前にはもう埋まっていて、外に特設の椅子が用意されたほどです。
ロホ:過去を振り返っても、さすがにそこまではなかったぞ。モウリーニョが来た時も含めてね。
豊福:会見前にまず写真撮影の時間があったんですが、それが終わらなくて。ペップはざっと2分間も壇上に立ってポーズを取らされていました。ファンも、メディアも、誰もがペップのことを愛している。影響力の大きさを改めて実感しましたね。
ロホ:だから私は他の記者に行かせたんだ(笑)。バルセロニスタは、いまだにあのサッカーが忘れられないんだろう。『マルカ』もその写真で1面を飾ったよ。「Pep vuelve al Camp Nou」(ペップがカンプ・ノウに戻ってくる)という見出しを打って。
豊福:ルイス・エンリケも間違いなく良い仕事をしています。ただ、ペップのインパクトが強すぎて、相応の評価を受けられていない。ちょっとかわいそうですよね。メッシを右サイドに、シャビをベンチに、ピケをスタンドに置くなんて、普通の監督にはできない芸当だ。
ロホ:バイエルンにも3-0だからね。枠内シュートはたったの1本しか許さず、それもDFに当たったもの、決定機とすら言えないものだった。バルサがこのまま3冠を達成すれば間違いなく拍手喝采を浴びるだろう。だが、それでもペップの域には……。
豊福:ペップにはカリスマがあるんでしょうね、ルイス・エンリケと違って。両者が試合前、カンプ・ノウのピッチに現われたときも、カメラの大半がペップの方に向いていました。
ロホ:ペップはカタルーニャ人ということもある。ルイス・エンリケはバルサでプレーしたが、地元の人間ではないからね。これも重要なポイントだ。個人的には、ルイス・エンリケのことは評価しているんだがね。ペップはセットプレーの練習をほとんどやらなかった。ルイス・エンリケはしっかりと準備した。それが結果としてしっかりと表われている。
豊福:結果を出してもペップの存在が大きすぎて正当に評価されないという、どこかかわいそうなルイス・エンリケ。ペップのカンプ・ノウ帰還とそれにまつわる騒動を見ていると、なんだかルイス・エンリケに声援を送りたくなってきました。
構成・文:豊福晋
協力:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ紙) Luis Fernando ROJO(MARCA)
【著者プロフィール】
豊福晋
1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
Luis Fernando ROJO
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。