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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】G大阪を逆転勝利に導いた「指揮官の大胆な決断」と「エースの躍動」

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年05月07日

左サイドにコンバートされた宇佐美は水を得た魚となった。

宇佐美は厳しマークに遭い、本来のパフォーマンスを出し切れなかったものの勝負どころでの突破やキープ力で敵の守備を打開した。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 長谷川監督と並ぶ勝利の立役者、それは23歳の誕生日をゴールと勝利で飾った宇佐美である。
 
 試合後、MVPに選出された彼は「それにふさわしい圧倒的なプレーをしたわけじゃないですが」と謙虚に語った。確かに本領発揮というほどではなかったが、劣勢の試合をひっくり返したのは宇佐美である。
 
 前半、最前線で敵の厳しいマークにさらされた宇佐美は、窮屈そうにプレーしていた。途中からは引いて受ける場面も目立った。だが長谷川采配で左サイドにコンバートされて、水を得た魚となった。
 マークの緩い左サイドでたくさんのパスを受け、存分に前に仕掛ける。宇佐美が躍動することで、G大阪は勢いづいた。
 
 64分、宇佐美は左サイドから果敢に仕掛け、ペナルティエリア左角付近から同点ゴールを決めた。GKが出られず、飛び込んでくるパトリックが触るかどうかという、絶妙なところに弾ませたボールは、そのまま逆サイドのネットを揺らした。
 
 このドリブルに対して城南は3人のマークがついていたが、誰もボールを奪いに行くことができなかった。城南にとって悔やまれる対応となったが、無理もない。うかつに飛び込めば、いきなり加速して置き去りにされるからだ。しかも自由自在にコースを変えてくる。
 
 サッカーは戦場の斬り合いにも似ていて、敵味方が入り乱れてひとつのボールを奪い合う。だが、宇佐美にはなかなか勝負を挑めない。飛び込んだ瞬間、ばっさりと斬り捨てられるからだ。斬られるのが怖くて待ってしまえば、今度は右足から鋭いシュートや絶妙なパスが繰り出される。
 
 若き総大将が前線で敵を斬り捨てながら、G大阪はアジアの荒野を突き進む。
 
取材・文:熊崎 敬
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