異国の“味付け”が正解なのかどうかは結果でしか判断できない
ライセンスの問題もあり、与えられた役職は「コンディショニングコーチ」。キッチリとトレーニングをやりつつ、一方で選手を尊重し、押しつけるのではなく彼らの力を引き出そうとしました。欧州のトップクラブでプレーする面々に、押し付けは通用しません。
クラブとは違うので時間をかけた補強とかフィジカルトレーニングはしませんが、ウォーミングアップやスケジュールコントロールなど基本的には日本や中国でやってきたことと同じです。ですがセルビア代表にとっては初めてのこと。個々に一流クラブでプレーし、私へのリスペクトも欠かさない選手ばかりでしたが、その異国の“味付け”が正解なのかどうかは結果でしか判断できない。正直、最初は不安でした。
でもアイルランドに逆転勝ち(〇3-2)を収めてくれたことが大きかった。試合後、選手からは「良いと思っていたけど、やっぱり良かったね」との褒め言葉をもらいましたが、嬉しさよりもホッとした気持ちのほうが強かったですね。
コーチ就任を快諾した時から背負うものの大きさは分かっていました。私を招聘してくれたミスターへの責任、セルビア代表として目の前の試合に勝利する責任、セルビアサッカー界全体への責任。そして自分の振る舞い次第では、後進の未来にも影響するかもしれない日本人としての責任感。それらが初戦に勝利したことで“この方向性で良いんだ”という自信へと変わり、それは中2日で待ち受ける大一番への後押しになりました。
クラブとは違うので時間をかけた補強とかフィジカルトレーニングはしませんが、ウォーミングアップやスケジュールコントロールなど基本的には日本や中国でやってきたことと同じです。ですがセルビア代表にとっては初めてのこと。個々に一流クラブでプレーし、私へのリスペクトも欠かさない選手ばかりでしたが、その異国の“味付け”が正解なのかどうかは結果でしか判断できない。正直、最初は不安でした。
でもアイルランドに逆転勝ち(〇3-2)を収めてくれたことが大きかった。試合後、選手からは「良いと思っていたけど、やっぱり良かったね」との褒め言葉をもらいましたが、嬉しさよりもホッとした気持ちのほうが強かったですね。
コーチ就任を快諾した時から背負うものの大きさは分かっていました。私を招聘してくれたミスターへの責任、セルビア代表として目の前の試合に勝利する責任、セルビアサッカー界全体への責任。そして自分の振る舞い次第では、後進の未来にも影響するかもしれない日本人としての責任感。それらが初戦に勝利したことで“この方向性で良いんだ”という自信へと変わり、それは中2日で待ち受ける大一番への後押しになりました。
相手はポルトガル代表で、目の前には本気のクリスチアーノ・ロナウドやジョタ。いちサッカー人としては“おおっ”と思いましたが(笑)、どこの誰が相手でも、2点を先行される苦しい展開でも臆することはなかったです。いろんな意味で結果が世界中にニュース配信された一戦。それでも2―2で引き分けたのは名古屋時代からミスターが言い続けている「NEVER GIVE UP」の精神でしょう。そのフレーズはセルビア代表のミーティングでも口にしていて、それが選手に伝わっていたのだと思います。
この試合への私個人のアプローチはアイルランド戦出場組の疲労回復と同戦に出場していない選手のコンディションをどう上げていくか、そして心と頭のリフレッシュ。心と頭が疲れているとフィジカルも付いてこないので、アイルランド戦後からポルトガル戦までの2日間でどれだけクリアにできるかに腐心しました。広州富力では監督代行の経験もあったので、ミスターに断ったうえで、試合を分析した映像を選手に見せてプレーの整理などをして臨みました。