【編集長の視点】大久保嘉人――川崎で積み重ねた51ゴールと幸せな時間

カテゴリ:Jリーグ

谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)

2015年05月03日

ストレートで刺激的な口調にも、これまでとは違う充実感を感じる。

オフには移籍も噂されたが残留。川崎で迎える勝負の3年目、タイトルへの想いは強い。 写真:田中研治

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 足もとの技術と1対1に絶対の自信を持つ大久保だからこそ、風間八宏監督が率いる川崎の攻撃的なサッカーとの出会いは、ある意味、必然だったのかもしれない。
 
 2013年に加入後の活躍については、ここで改めて振り返るまでもないが、フィニッシャーとして久しぶりに最前線に固定され、中村憲剛という希代のパサーや、レナトら多士済々なアタッカーに囲まれ、国見高校やC大阪で猛威を振るった頃の”凄み”を、完全に取り戻している。
 
 前節で柏に1-4と完敗し、今節もFC東京に1-2と逆転負け。チームとして結果が出ず、歯がゆさを募らせているからこそ、試合後に報道陣の前で「こんなサッカーをやっていたらダメでしょ」「気迫が見えない」と、チームに対する苦言を連発する。
 
 しかし、そんな昔と変わらない、ストレートで刺激的な口調にも、どこかこれまでとは違う充実感を感じるのは私だけだろうか。
 
「次はゴンさん(中山雅史)でしょ? そこを目標にやります」
 
 報道陣の求めに応じて、次なる個人目標をJ1最多得点記録の157ゴールに定めた大久保。だが、FC東京戦の敗戦を「今日ほど悔しいことはなかったね」と振り返る彼が今、最も欲しているのはチームとしてのタイトル獲得だろう。
 
 年齢とともに円熟の輝きを増すゴールハンターは、決してエゴイストではない。いつでもチームのために、そして勝利のために全力を尽くす男である。
 
 プロ入り後、国内ではいまだ手にしたことのない優勝カップを掲げる姿をぜひ見てみたい――その想いは大久保が川崎の一員として楽しそうにプレーし、ゴールを重ねる姿を見るたびに強くなっている。
 
取材・文:谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)
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