「ポスト大迫」のハードルはまた一段と上がったか
とりわけFWは、モンゴル戦で代表戦初のハットトリックを達成した大迫の最前線での存在感が圧倒的で、「ポスト大迫」探しのハードルが一段階上がったように映る。森保監督はセルビアで今季16得点の浅野拓磨(パルチザン)を招集したが、スピードスターの彼はやはり背後に抜け出す選手。タメを作れるわけではない。それは鈴木武蔵(ベールスホット)にしても同じ。U-24世代にも同じ役割を果たしてくれそうな人材は今のところ見つからない。
だからこそ、吉田は「サコはアジアトップ3のFW」と評するのだろうが、大迫依存症は今後も続きそうだ。彼が所属クラブで苦境に陥っていても、これだけの仕事を果たせることを確認できたのは収穫と言えるが、先々の代表を考えると不安は募る。
だからこそ、吉田は「サコはアジアトップ3のFW」と評するのだろうが、大迫依存症は今後も続きそうだ。彼が所属クラブで苦境に陥っていても、これだけの仕事を果たせることを確認できたのは収穫と言えるが、先々の代表を考えると不安は募る。
右SBに関しては、南野拓実(サウサンプトン)の先制弾をアシストした松原が中に絞って攻撃参加する形がよく出て、山根視来(川崎)とは違ったオプションをもたらした。彼らの活躍が欧州組の酒井宏樹(マルセイユ)と室屋成(ハノーファー)に危機感を与えたのもポジティブな点と言っていい。しかしながら、昨年11月に対峙したメキシコのような格上相手になれば、より高い守備力や球際の強さが求められる。そのレベルで松原と山根が十分通用するかを図ることはできなかった。
それは左SBの新戦力・小川諒也(FC東京)にしても同様だろう。モンゴル戦の彼は、レフティの強みを生かして高い位置から再三再四、精度の高いクロスを蹴り込み、攻撃面で脅威になっていた。が、それはあくまでモンゴルという相手の話。世界トップ選手を次々と止めてきた長友佑都(マルセイユ)の領域にいきなり辿り着くわけではない。6月のインターナショナルマッチデー(IMD)も延期された2次予選が入るため、強豪相手のテストマッチは組めず、彼らがギリギリの経験をするチャンスはほぼない。「ポスト長友&酒井宏樹」のメドをつけられないまま、最終予選突入を強いられるのは間違いなさそうだ。