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U-24日本、田中&板倉の奮闘でボランチ競争激化!一方で「ポスト大迫&長友」問題は…アルゼンチン2連戦検証

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2021年03月30日

FW、左SBで際立った存在はなく…後継者問題は先送り

 選手層が厚くなってきたボランチに比べると、大迫勇也(ブレーメン)への依存度が高いFW、長友佑都(マルセイユ)の後継者問題に直面する左サイドバック(SB)は今回もメドが立ったとは言い切れない出来だった。

 まずFWだが、第1戦は田川亨介(FC東京)が先発して前線でバトルを繰り広げ、守備意識の高さを押し出すなど健闘。2戦目は林がスタメン出場してゴールを挙げ、前向きなインパクトを残した。林などは結果を残して2008年北京五輪に滑り込み、直後にA代表入りして階段を駆け上がった岡崎慎司(ウエスカ)に重なる部分もありそうだ。

 しかしながら、吉田麻也(サンプドリア)が「アジアトップ3に入るFW」だと言い切る大迫のタメを作るうまさ、味方を引き出す力というのは、若き2人には足りない部分。今季J1で6ゴールの前田大然(横浜)にしてもそうだろう。唯一、上田綺世(鹿島)だけは大迫に近い動きができるが、今回の活動に参加していないため、判断が難しい。この中から「ポスト大迫」が出てくるという確信はまだ持てない。東京五輪まで4か月間で誰がどう変化するかをしっかりと見極めたい。

 一方の左SBも、第1戦は川崎で活躍中の旗手怜央、2戦目は古賀太陽(柏)が先発したが、前者は攻撃的すぎて守備が不安定になり、後者は攻撃への推進力が出ないという結果になった。左利きのSBとしては当初、杉岡大暉(鹿島)が有望だったが、現状での所属クラブの立ち位置を考えると、東京五輪やカタール・ワールドカップ(W杯)最終予選に間に合うとも思えない。第2戦のラスト2分間ピッチに立った17歳の中野伸哉(鳥栖)もまだ早すぎるだろう。

 25日の日韓戦では31歳の佐々木翔(広島)が奮闘したが、その彼も負傷で30日のモンゴル戦(千葉)は回避となりそう。となれば、左利きの小川諒也(FC東京)にとっては千載一遇のチャンスとなる。U-24世代にもなかなか人材が見当たらない分、期待は大きい。

 右SBに関しては菅原由勢(AZ)と原輝綺(清水)がどちらも安定感は示したものの、酒井宏樹(マルセイユ)の牙城にはまだ届きそうもない。むしろ日韓戦で先制点を叩き出した27歳の山根視来(川崎)の方が最終予選に近いかもしれない。それを測る意味でもモンゴル戦で安定したパフォーマンスを見せられるかどうかは見どころだ。彼自身が「化け物」と評する酒井宏樹の領域を目指して、貪欲にトライし続けてもらいたい。

 いずれにしても、A代表を巡る戦いは今後の一挙手一投足に懸かっている。久保も「ここで得た自信をチームに持ち帰れればいい」とコメントしていた。所属クラブで圧倒的実績を残すことから全てが始まるのは間違いない。

取材・文●元川悦子(フリーライター)
 
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