ポチェティーノは「プレミア版ビエルサ」を目指している!?
山中:まあスパーズも、チーム作りの途上にあるんでしょう。ポチェティーノ監督になって1年目だから仕方がないし、即戦力というよりは将来、2~3シーズンを見越して選手を買っているわけだし。
田邊:目指しているサッカー自体、従来の路線とは相当違うから、よくこの順位をキープしていると言えなくもない。でもポチェティーノ流のハイプレスのサッカーを浸透させるところまではいっていないですよね。むしろパーデュー時代のニューカッスルのように、組織というよりは個の力に頼っている。
山中:そう。だからデンベレあたりまで含めて、もうちょっとスカッドも整理する必要がある。デンベレはプロフィールだけを見れば相当引きが強いんだけど、基本的には自分がボールを持ってから周囲を見渡して、「この場所から抜いていけるかなぁ?」と考え始めますから。
田邊:なんといっても、いま注目のベルギーの若手ですから。でも実際には、あれこれ考えた末にバックパスで終わったりするシーンも多い(笑)。
山中:いや、バックパスならましなほうで。2月のウェストハム戦では前半プレーしたのみで、後半にはボールだけじゃなくて、自分自身までベンチに下がっていってしまった(笑)。
あとはとにかくポチェティーノ自身が、ゲームマネジメントを考えていく必要があるのかなと。ただでさえ若い選手が多いんだから、本当ならベンチが冷静に指示を出さなきゃならないのに、監督本人が一番熱くなって、両サイドバックに上がれ上がれと大声で叫び続けている。
田邊:ノリ的には、部活の先生に近い(笑)。サウサンプトンの時はそれでよかったかもしれないけど、いまは面子も戦術の浸透度も違うんだから、引いて守ることも覚えていかないと。
山中:流れを落ち着けた方が、絶対にいい時間帯がありますからね。でも彼は1点目を取ったら2点目、2点目を取ったら3点目と、ひたすら攻めていこうとする。それが裏目に出ても「スパーズの監督たるもの、自分が興奮できるような戦い方をしなければならない」とか言い切ってしまう(笑)。
スリリングなサッカーと、危なっかしいリスキーなサッカーが紙一重というか。ファンにとっては、華のあるサッカーをすること以上に、勝点が取れて優勝争いに絡めた方が嬉しいと思うんだけどなぁ。タイトルこそ、本当の「グローリー」なわけで。
田邊:ポチェティーノは、プレミア版のビエルサを目指しているのかもしれないですね。ただし実際には華(花)があっても、なかなか実がつけられないという。
山中:わかりやすいのはメディアの報道で。例えばアーセナルやリバプールが勝ったりしたら、優勝争いに絡めるとかCLを狙えるかもしれないと騒がれたりしたのに、今シーズンのスパーズに関しては、いかに良い勝ち方をしてもCL出場枠を狙えるというような報道がまったく出なかった。ゲームのマネジメントも含めて、ここも来シーズン以降に期待ですよね。
田邊:そう。結局は良くも悪くもケインの話題が一人歩きしてしまった。だから「ケイン」以外に「CL」という単語を新聞の見出しに載せられるようにしていくのが、来シーズンに向けての課題かもしれない。伝統あるクラブなんだから、ELの殻を破ってもらわないともったいないですよ。
山中:そうすればスパーズのファンは、CL枠だけは逃さないアーセナルのファンの前でもっと強気になれる(笑)。
田邊:目指しているサッカー自体、従来の路線とは相当違うから、よくこの順位をキープしていると言えなくもない。でもポチェティーノ流のハイプレスのサッカーを浸透させるところまではいっていないですよね。むしろパーデュー時代のニューカッスルのように、組織というよりは個の力に頼っている。
山中:そう。だからデンベレあたりまで含めて、もうちょっとスカッドも整理する必要がある。デンベレはプロフィールだけを見れば相当引きが強いんだけど、基本的には自分がボールを持ってから周囲を見渡して、「この場所から抜いていけるかなぁ?」と考え始めますから。
田邊:なんといっても、いま注目のベルギーの若手ですから。でも実際には、あれこれ考えた末にバックパスで終わったりするシーンも多い(笑)。
山中:いや、バックパスならましなほうで。2月のウェストハム戦では前半プレーしたのみで、後半にはボールだけじゃなくて、自分自身までベンチに下がっていってしまった(笑)。
あとはとにかくポチェティーノ自身が、ゲームマネジメントを考えていく必要があるのかなと。ただでさえ若い選手が多いんだから、本当ならベンチが冷静に指示を出さなきゃならないのに、監督本人が一番熱くなって、両サイドバックに上がれ上がれと大声で叫び続けている。
田邊:ノリ的には、部活の先生に近い(笑)。サウサンプトンの時はそれでよかったかもしれないけど、いまは面子も戦術の浸透度も違うんだから、引いて守ることも覚えていかないと。
山中:流れを落ち着けた方が、絶対にいい時間帯がありますからね。でも彼は1点目を取ったら2点目、2点目を取ったら3点目と、ひたすら攻めていこうとする。それが裏目に出ても「スパーズの監督たるもの、自分が興奮できるような戦い方をしなければならない」とか言い切ってしまう(笑)。
スリリングなサッカーと、危なっかしいリスキーなサッカーが紙一重というか。ファンにとっては、華のあるサッカーをすること以上に、勝点が取れて優勝争いに絡めた方が嬉しいと思うんだけどなぁ。タイトルこそ、本当の「グローリー」なわけで。
田邊:ポチェティーノは、プレミア版のビエルサを目指しているのかもしれないですね。ただし実際には華(花)があっても、なかなか実がつけられないという。
山中:わかりやすいのはメディアの報道で。例えばアーセナルやリバプールが勝ったりしたら、優勝争いに絡めるとかCLを狙えるかもしれないと騒がれたりしたのに、今シーズンのスパーズに関しては、いかに良い勝ち方をしてもCL出場枠を狙えるというような報道がまったく出なかった。ゲームのマネジメントも含めて、ここも来シーズン以降に期待ですよね。
田邊:そう。結局は良くも悪くもケインの話題が一人歩きしてしまった。だから「ケイン」以外に「CL」という単語を新聞の見出しに載せられるようにしていくのが、来シーズンに向けての課題かもしれない。伝統あるクラブなんだから、ELの殻を破ってもらわないともったいないですよ。
山中:そうすればスパーズのファンは、CL枠だけは逃さないアーセナルのファンの前でもっと強気になれる(笑)。