翌日の名古屋U-18との一戦では、「相手の両サイドの攻撃はかなり厄介だった」と、相手のMF甲田英將と杉浦駿吾の仕掛けに手を焼いて2失点を喫したが、アンリは1対1と空中戦では無類の強さを見せた。
1-2で迎えた残り10分に仲村浩二監督から「残り5分でFWをやるか?」と聞かれると、「はい、やります」と回答。後半29分の選手交代を機にFWに上がると、今度は相手DFを背負ってポストプレーを披露。時にはダイナミックなスプリントでディフェンスラインの裏を果敢に狙うなど、FWとしてのプレーの引き出しも見せた。
決定的なパスは来ず、チームもそのまま1-2で敗れたが、最前線でもそのスケールの大きさを見せた。
「FWは選手権予選準決勝でパワープレーをして以来、5か月ぶりです。以前は前線をやることは好きじゃなかったけど、ポストプレーやスピードを活かせて楽しいなと思うようになりました。試合全体を見ると、グランパスはめちゃくちゃ強かった。こういう相手とやりたかったので、負けはしましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。この1年でもっと成長をして、(12月の)プレミアリーグ参入戦で強豪Jユースと戦った時にこの借りを返したいです」
技術的にもメンタル的にも、まだまだ伸び代は十分。このポテンシャルもプロのスカウトを惹きつける大きな魅力となっている。ユース年代ナンバーワンCBはこの1年でどこまで伸びるのか。『尚志の城壁』チェイス・アンリから目が離せない。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)