アッレグリ監督が3バックを採用した理由とは。
4)結果だけを目的に耐え抜いたユベントス
ユベントスのアッレグリ監督が、あえて3バックの3-5-2を採用した背景には、ポグバの故障欠場に加え、テベスが胃腸炎、ビダルが扁桃腺炎でともに万全の体調になく、中盤で数的優位を作り出して主導権を握るのに必要なダイナミズムとインテンシティが確保できないというチーム状況があった。
そのため、相手にボールを持たれてチームの重心が下がる可能性があることを承知で、最も危険な中央のゾーンをバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニという老獪なイタリア代表DF3人で固めるという策を選んだ。
主力のコンディション不良に加えて、勝って当然という空気の中でCLベスト4という大目標が目の前にぶらさがっているプレッシャーもあったのだろう。この試合のユベントスは、動きが固くミスも多い、今シーズン最低と言ってもいい出来だった。
前日会見では「0-0でOKだという気持ちで臨んだらやられる。早く1点を奪って試合を決める姿勢を持たなければ」とコメントしていた指揮官だが、90分で総シュート数わずか5本、枠内シュートは1本と、内容は正反対だった。
とはいえ、0-0を守り切るしかないとなれば、しっかりとそれをやり切るメンタリティをチームに植え付けたところはさすがである。
最終的に勝負を分けたのは、第1レグでユベントスが得た、主審からのプレゼントに近いPKひとつだけだったが、それを泥臭く守り切った第2レグの戦いぶりは、それはそれで勝ち上がりに値するものだった。
文:片野道郎
ユベントスのアッレグリ監督が、あえて3バックの3-5-2を採用した背景には、ポグバの故障欠場に加え、テベスが胃腸炎、ビダルが扁桃腺炎でともに万全の体調になく、中盤で数的優位を作り出して主導権を握るのに必要なダイナミズムとインテンシティが確保できないというチーム状況があった。
そのため、相手にボールを持たれてチームの重心が下がる可能性があることを承知で、最も危険な中央のゾーンをバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニという老獪なイタリア代表DF3人で固めるという策を選んだ。
主力のコンディション不良に加えて、勝って当然という空気の中でCLベスト4という大目標が目の前にぶらさがっているプレッシャーもあったのだろう。この試合のユベントスは、動きが固くミスも多い、今シーズン最低と言ってもいい出来だった。
前日会見では「0-0でOKだという気持ちで臨んだらやられる。早く1点を奪って試合を決める姿勢を持たなければ」とコメントしていた指揮官だが、90分で総シュート数わずか5本、枠内シュートは1本と、内容は正反対だった。
とはいえ、0-0を守り切るしかないとなれば、しっかりとそれをやり切るメンタリティをチームに植え付けたところはさすがである。
最終的に勝負を分けたのは、第1レグでユベントスが得た、主審からのプレゼントに近いPKひとつだけだったが、それを泥臭く守り切った第2レグの戦いぶりは、それはそれで勝ち上がりに値するものだった。
文:片野道郎