いよいよ今週末にミランの未来に関わる重大な決断が下される。
彼らは表舞台から消え去ってしまった。長友がプレーしなかったのは度重なる怪我によるものだが、本田は素晴らしいシーズンのスタートを切って皆を魅了しながらも、その後は平凡な選手に戻ってしまい、最近ではブーイングを受けるまでに調子を落とした……。
本田が足首の捻挫で2試合を欠場している間に、インザーギ監督はスソ(ミランでスタメンに入ったのはこの試合が初めて)、次にアレッシオ・チェルチを使うことを決めてしまったようだ。
ただ、これからのラスト7試合で、インザーギ監督が誰を起用するつもりなのか予想するのは難しい。若手のスソを試し続けるのか、これまで失望でしかなかったチェルチを復活させようとするのか、それとも常に信頼し使ってきた本田を再登場させるのか。もちろん、本田はベンチに回されても問題を起こす選手ではないが……。
しかし、誰を使うかなどよりも、もっと大きな疑問がある。それは、今後の7試合が一体何の役に立つのか、ということだ。ミランがELにたどり着くことが難しいなら、このクラブに大きな変革が起こることは想像に難くない。
今月末(4月26日といわれている)には、ベルルスコーニ・オーナーと再び会うために、タイ人ブローカーのビー・テチャウボン氏がミラノにやって来る。ミランの買取を締結するためだ。しかし、事はそう簡単にはいかないはずだ。香港人の実業家リチャード・リー氏も、いまだミランを狙っているからだ。
こういう場合、世の常として、売り手は両者を天秤にかけつつ金額を釣り上げていく。ベルルスコーニ・オーナーももちろん、そのチャンスを見過ごしはしないだろう。
欧州カップ戦は、チームの財政にとって重要である。ただCLに出場するチームには3000万ユーロが与えられるが、ELでは一気に下がってその10分の1の金額である。だから、新たにミランのオーナーになる人物は、こういう手順をとらなくてはいけない。
1)チーム買収(最初は株の一部だけかもしれないが、年末には筆頭株主となるだろう)
2)負債を返済(約2億~2億5千万ユーロ)
3)新たな資金を投入し、レベルの高いチームを作るための選手を購入
それから、新スタジアム建設の件も忘れてはいけない。プロジェクトを推し進めるバルバラ・ベルルスコーニはやる気満々だが、建設予定地もまだ確保されていない。これも、新たな投資家待ちとなるだろう。
つまり、あと1週間でミランの未来に関わる大きな決定が下されるのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
本田が足首の捻挫で2試合を欠場している間に、インザーギ監督はスソ(ミランでスタメンに入ったのはこの試合が初めて)、次にアレッシオ・チェルチを使うことを決めてしまったようだ。
ただ、これからのラスト7試合で、インザーギ監督が誰を起用するつもりなのか予想するのは難しい。若手のスソを試し続けるのか、これまで失望でしかなかったチェルチを復活させようとするのか、それとも常に信頼し使ってきた本田を再登場させるのか。もちろん、本田はベンチに回されても問題を起こす選手ではないが……。
しかし、誰を使うかなどよりも、もっと大きな疑問がある。それは、今後の7試合が一体何の役に立つのか、ということだ。ミランがELにたどり着くことが難しいなら、このクラブに大きな変革が起こることは想像に難くない。
今月末(4月26日といわれている)には、ベルルスコーニ・オーナーと再び会うために、タイ人ブローカーのビー・テチャウボン氏がミラノにやって来る。ミランの買取を締結するためだ。しかし、事はそう簡単にはいかないはずだ。香港人の実業家リチャード・リー氏も、いまだミランを狙っているからだ。
こういう場合、世の常として、売り手は両者を天秤にかけつつ金額を釣り上げていく。ベルルスコーニ・オーナーももちろん、そのチャンスを見過ごしはしないだろう。
欧州カップ戦は、チームの財政にとって重要である。ただCLに出場するチームには3000万ユーロが与えられるが、ELでは一気に下がってその10分の1の金額である。だから、新たにミランのオーナーになる人物は、こういう手順をとらなくてはいけない。
1)チーム買収(最初は株の一部だけかもしれないが、年末には筆頭株主となるだろう)
2)負債を返済(約2億~2億5千万ユーロ)
3)新たな資金を投入し、レベルの高いチームを作るための選手を購入
それから、新スタジアム建設の件も忘れてはいけない。プロジェクトを推し進めるバルバラ・ベルルスコーニはやる気満々だが、建設予定地もまだ確保されていない。これも、新たな投資家待ちとなるだろう。
つまり、あと1週間でミランの未来に関わる大きな決定が下されるのだ。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。