本田がミランを退団するのは彼がそれを望んだ場合だけである。

先週末のサンプドリア戦、サポーターは過去に在籍したスター選手の名でスタンドを埋め、ベルルスコーニ・オーナーが提唱する「若手イタリア人路線」を批判した。 (C) Alberto LINGRIA
今シーズン限りでミランと契約の切れる選手を見てみると、イグナツィオ・アバーテは間違いなく残留、クリスティアン・アッビアーティも契約をもう1年更新するはずである。
ダニエレ・ボネーラはインザーギ監督の去就次第とされ、マイケル・エッシェン、ジャンパオロ・パッツィーニ、ナイジェル・デヨング、フィリップ・メクセスも不明である。後ろの2人については、残留の可能性は10パーセント程だとされている。
また、レンタル期間が終了する選手では、マルコ・ファン・ヒンケルはチェルシーに復帰すると思われ、サルバトーレ・ボッケッティについては、レンタル期間の延長をスパルタク・モスクワと交渉する予定である。
最大の“謎”は、マッティア・デストロの去就だ。この1月に、買取オプション付きで加入したこのCFについて、ローマが提示している移籍金は1600万ユーロ。ミランにとっては途方もない大金であり、何より彼はまだ本領を発揮していない……。大幅な値引きでもなければ、ローマに戻ることとなるだろう。
来シーズンもチームの核となるであろう選手は、ルカ・アントネッリ、ジャコモ・ボナベントゥーラ、マッティア・デ・シリオ、ディエゴ・ロペス、アレッシオ・チェルチ、ジェレミー・メネーズ、リッカルド・モントリーボ、ガブリエル・パレッタ、アンドレア・ポーリ……そして本田圭佑だ。
本田に関しては、彼自身が出ていきたいと言わない限り残留は間違いない。少なくともミラン側から「出ていけ」と言うことはないだろう。彼のプロとしての模範的な振る舞いは、新たな出発を図ろうとしているミランにとっては不可欠な要素だからである。
他に残留が予想されているのは、ミカエル・アガッツィ、ミケランジェロ・アルベルタッツィ、クリスティアン・ザッカルド。逆に動向が注目されるのは、プレミアリーグへの移籍もありうるステファン・エル・シャーラウィ、他にはアレックス、スソ、クリスティアン・サパタ、そして若手の有望株ハキム・マストゥールだ。
一方、レンタル期間が終わってミランに戻ってくる選手もいる。ロビーニョはサントス残留を希望しているが、エムバイ・ニアングはミランへの復帰を望んでおり、ジェノアが彼を引き留めるには相当な労力が必要となるだろう。
セリエBのカルピにレンタルされていたブラジル人GKのガブリエルは、チームのA昇格(35節終了時点で2位に勝点13差の首位)の立役者となって凱旋することが濃厚。またユベントスのアレッサンドロ・マトリはパッツィーニが抜けた場合の穴埋め的存在として、アントニオ・ノチェリーノもパルマでの不運な経験を経て、それぞれ戻ってくるはずだ。
しかし、最も気になるのはやはり、新たに獲得する選手である。ベルルスコーニがオーナーとして残る限り、彼が以前に表明した通り、若手イタリア人選手中心のチーム編成にミランは舵を切るはずだ。その場合に備え、ガッリアーニの構想のなかには、すでに数人の名前が挙がっている。
ジェノアの才能豊かなMFアンドレア・ベルトラッチ、同じく有望なアタランタのMFダニエレ・バゼッリ、そして 「プロビンチャのピルロ」とも呼ばれ、ピルロ張りのプレーのビジョンとテクニックを持っているエンポリのミルコ・ヴァルディフィオーリだ。
確かに、これらの選手は興味深い。将来のアズーリを背負って立つ選手たちかも知れない。しかし、ミラニスタたちに夢を見させるようなものではない。それを知っているからこそ、多くのアジアからの投資家たちが今、ミランを手に入れようとしているのだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
ダニエレ・ボネーラはインザーギ監督の去就次第とされ、マイケル・エッシェン、ジャンパオロ・パッツィーニ、ナイジェル・デヨング、フィリップ・メクセスも不明である。後ろの2人については、残留の可能性は10パーセント程だとされている。
また、レンタル期間が終了する選手では、マルコ・ファン・ヒンケルはチェルシーに復帰すると思われ、サルバトーレ・ボッケッティについては、レンタル期間の延長をスパルタク・モスクワと交渉する予定である。
最大の“謎”は、マッティア・デストロの去就だ。この1月に、買取オプション付きで加入したこのCFについて、ローマが提示している移籍金は1600万ユーロ。ミランにとっては途方もない大金であり、何より彼はまだ本領を発揮していない……。大幅な値引きでもなければ、ローマに戻ることとなるだろう。
来シーズンもチームの核となるであろう選手は、ルカ・アントネッリ、ジャコモ・ボナベントゥーラ、マッティア・デ・シリオ、ディエゴ・ロペス、アレッシオ・チェルチ、ジェレミー・メネーズ、リッカルド・モントリーボ、ガブリエル・パレッタ、アンドレア・ポーリ……そして本田圭佑だ。
本田に関しては、彼自身が出ていきたいと言わない限り残留は間違いない。少なくともミラン側から「出ていけ」と言うことはないだろう。彼のプロとしての模範的な振る舞いは、新たな出発を図ろうとしているミランにとっては不可欠な要素だからである。
他に残留が予想されているのは、ミカエル・アガッツィ、ミケランジェロ・アルベルタッツィ、クリスティアン・ザッカルド。逆に動向が注目されるのは、プレミアリーグへの移籍もありうるステファン・エル・シャーラウィ、他にはアレックス、スソ、クリスティアン・サパタ、そして若手の有望株ハキム・マストゥールだ。
一方、レンタル期間が終わってミランに戻ってくる選手もいる。ロビーニョはサントス残留を希望しているが、エムバイ・ニアングはミランへの復帰を望んでおり、ジェノアが彼を引き留めるには相当な労力が必要となるだろう。
セリエBのカルピにレンタルされていたブラジル人GKのガブリエルは、チームのA昇格(35節終了時点で2位に勝点13差の首位)の立役者となって凱旋することが濃厚。またユベントスのアレッサンドロ・マトリはパッツィーニが抜けた場合の穴埋め的存在として、アントニオ・ノチェリーノもパルマでの不運な経験を経て、それぞれ戻ってくるはずだ。
しかし、最も気になるのはやはり、新たに獲得する選手である。ベルルスコーニがオーナーとして残る限り、彼が以前に表明した通り、若手イタリア人選手中心のチーム編成にミランは舵を切るはずだ。その場合に備え、ガッリアーニの構想のなかには、すでに数人の名前が挙がっている。
ジェノアの才能豊かなMFアンドレア・ベルトラッチ、同じく有望なアタランタのMFダニエレ・バゼッリ、そして 「プロビンチャのピルロ」とも呼ばれ、ピルロ張りのプレーのビジョンとテクニックを持っているエンポリのミルコ・ヴァルディフィオーリだ。
確かに、これらの選手は興味深い。将来のアズーリを背負って立つ選手たちかも知れない。しかし、ミラニスタたちに夢を見させるようなものではない。それを知っているからこそ、多くのアジアからの投資家たちが今、ミランを手に入れようとしているのだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。