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「パリSGに騙されている」そう言い返したS・ラモスをペレス会長は突き放し…難航する契約延長交渉の舞台裏【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2021年02月07日

会長はオファー内容を変更するくらいならS・ラモスが退団することを望み…

 例として挙げるのが、冒頭のキエフでのエピソードだ。たしかにペレスは契約延長を打診したが、それは口約束に過ぎない。S・ラモスは、長年、クラブに果たしてきた貢献を考えれば、交渉は文書も含めたよりフォーマルな形で進めるべきだと考えている。2年目はオプションとなるだけに、より細部まで条件面の話し合いを行わなければならない。

 そこでネックとなるのは、常に主導権を握りたがるペレスの性格だ。クリスチアーノ・ロナウド(現ユベントス)ともそれが原因で幾度となく衝突を繰り返した。クラブ首脳陣に近い関係筋によれば、会長はオファー内容を変更するくらいならS・ラモスが退団することを望み、その場合は代役を獲得すれば事足りるというスタンスだという。

 実際、すでにその候補として同じく今年の6月に所属クラブのバイエルンとの契約が満了するダビド・アラバに着目し、すでにコンタクトを取っている。

 両者の主張は平行線を辿ったままだが、ターニングポイントとなるかもしれないのが。クラブが昨シーズンに続いて全選手に対し働きかけている10パーセントの給与カットだ。昨年は、キャプテンの尽力で合意を得たのは前述したとおりだが、今年はそれ以上に選手たちとの話し合いは難航している。
 
 ペレスとしては、話し合いを軌道に乗せるために再びS・ラモスの力を必要としている。一方、スペイン代表DFとしても自らの調停で合意に達することは、新契約をよりコロナ禍における経営実態に見合った内容に近づけることにも繋がる。

 ただ問題は、S・ラモスが手掛ける不動産ビジネスが業績不振に陥っていること。その情報はクラブ側ももちろん把握しており、それがまたセルヒオ・ラモスが交渉で少しでも好条件を引き出そうと画策する要因にもなっている。

文●ダビド・アルバレス(エル・パイス紙マドリー番)
翻訳●下村正幸
 
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