【CLポイント解説】幸運なPKと成熟した試合運び ユベントスが4強へ王手

カテゴリ:ワールド

片野道郎

2015年04月15日

本来なら引き分けが妥当な結果ではなかったか。

幸運なPKで奪った虎の子の1点を守り抜いたユーベ。最後は3-5-2へシステムを変更して中央の守りを厚くし、ほぼ危なげなく逃げ切る。 (C) REUTERS/AFLO

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4)成熟した試合運びでリードを守り切る
 
 リードしたユベントスは、システムを4-3-1-2から4-4-2に変更して中盤をよりコンパクトにし、スペースを潰して試合を眠らせにかかる。
 
 テベス、マルキージオ、ピルロが故障明けで本調子ではなく、消耗戦を避けたかったこともあり、無理に2点目を狙うよりは無理せず試合をコントロールして、勝利を確実にものにしようという采配である。
 
 ユベントスの意図を見極めたモナコのレオナルド監督は、71分に守備的な右SBのラッジを下げてFWベルバトフを最前線に投入。ファビーニョをボランチから右SBに移して、モウチーニョをボランチに下げ、2列目に右からマルシアル、途中出場のB・シルバ、カラスコという若いアタッカーを並べる前がかりの布陣で反撃に転じようと試みた。
 
 これに対してアッレグリ監督は、74分にMFピルロを下げてCBバルザーリを投入しシステムを3-5-2に変更。中央の守りを厚くしてモナコの攻勢をはね返し、ほとんど隙を見せることなく最後の15分を守り切った。
 
5)本来なら引き分けが妥当な結果
 
 ボール支配率は60対40、決定機の数でもユベントスが上回ったものの、内容的にはほぼ互角。本来ならば引き分けが最も妥当な結果だったのではないか。
 
 モナコはアーセナル戦と同様、極めてよく組織された守備からの鋭いカウンターで、とりわけ立ち上がりにユベントスを困難に陥れた。ユベントスがアーセナルと違ったのは、一旦ペースを掴んだ後は焦ることなく主導権を握って試合をコントロールする、成熟したゲームマネジメントを見せたこと。
 
 PKでゴールを挙げる幸運はあったものの、失点をするよりは0-0(先制後は1-0)のままでいいという割り切った姿勢を貫き、落ち着いて試合をクローズした。
 
 堅守速攻に徹するモナコは、アーセナルとのラウンド・オブ16がそうだったようにホームよりもむしろアウェーで怖さを見せるチーム。そこでゴールを許さず勝利を手に入れたことで、ユベントスがベスト4進出に向けて大きく前進したと言える。
 
文:片野道郎
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