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暴徒化したマルセイユのファン250人が乱入…前代未聞の襲撃事件は、なぜ起きたのか?【現地発】

カテゴリ:海外日本人

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年01月31日

なぜサポーターは一線を超えたのか?

ネイマールとの舌戦でもしられるA・ゴンサレス(左)は投下物が背中に当たる軽傷を負った。パイエ(右)にはクラブ内外から批判が――。 (C)Getty Images

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 また、昨シーズンからの赤字に加えてコロナ禍の財政難に見舞われたクラブ側は、選手を絶極的に売りに出し始めた。

 先日も、主力MFモルガン・サンソンがアストン・ヴィラに電撃移籍。指揮官は事前に知らされておらず、その日の試合に出場させるつもりだったため、本人に「ピッチで戦う気持ちはあるか」と意思確認するはめに。サンソンは「もう頭は移籍のことで……」と答えて、荷造りに入ったという。さらにトバン、ジョルダン・アマビも今夏の契約満了が迫っており、退団を考えている様子だ。

 こうした要素が積み重なったなかで、マルセイユは、1月23日のモナコ戦に1-3で敗れ、5年半ぶりとなるリーグアン3連敗を喫する。この時点でサポーターの怒りは噴火寸前になっていた。とどめは監督だ。ヴィラス・ボアス監督が29日の記者会見で「今シーズン限りで去る」と匙(さじ)を投げたからたまらない。

 これまでにも、マルセイユの熱いサポーターは、選手バスを揺さぶったり、トレーニング場の外塀に抗議の落書きをしたりしていた。だが、これは一種の「喝を入れる行為」として見られていた。

 だが、今回はさすがに一線を超えた。
 
 なにしろ数百人(現地報道では250人)で暴力的に乱入したうえ、花火と発煙筒を使い、樹木も燃えてしまった。選手たちのいるクラブハウスにも押し入り、監督のかばんをぶちまけ、ゴンサレスの背中にも投下物が当たってしまった。たまらず警官隊が投入され、25人が逮捕された(30日夜時点)。現場はまるで軍事蜂起現場のような様相を呈したという。

 そうこうするうち、この日に行なわれるはずだったレンヌ戦の延期が正式に発表された。

 クラブは夜8時にコミュニケを発表。「受け入れがたい暴力的襲撃」を厳しく糾弾した。「盗みもおこなわれ、複数の車も損害を受けた。樹木も5本、破壊する意図のみで燃やされた。建物内の損害額も数十万ユーロにのぼる」と綴っている。

 またエロー会長は、「選択肢は2つしかない。フットボールは社会の反映だと諦めるか、受け入れないか、のどちらかだ。われわれは闘いに出る」と強調。ただこの日の街中には、「エロー出て行け」「指導部はみんなAVBの後に続け(監督と同じように去れ、の意味)」などの横断幕が掲げられただけに、「闘いに出る」の言葉は宣戦布告のようにとられる可能性もある。

【動画】警察が駆け付け、封鎖されたクラブハウス。白い煙で覆われた現場の様子はこちら
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