■サントス(ブラジル)
今大会の成績:8勝3分け1敗/ 20得点・9失点
▼キープレーヤー
DFルーカス・ヴェリッシモ
■ブラジル国籍(25歳)
■今大会の成績:10試合・1得点
状況判断が的確で優れたタックルの技術を誇る。機を見た持ち上がりと正確なフィードで攻撃の起点としても機能。準決勝では頭部を負傷しながらも戦い抜いた。
FWカイオ・ジョルジ
■ブラジルU-20代表(18歳)
■今大会の成績:11試合・5得点
敵守備陣の裏を取るのが巧みなラインブレイカー。両足で強いシュートが撃てるうえ空中戦も得意な18歳は、20年U-17W杯で5得点を挙げブラジルの優勝に貢献。
FWジェフェルソン・ソテルド
■ヴェネズエラ代表(23歳)
■今大会の成績:10試合・2得点
身長159センチの小兵ウインガーは、スピード豊かなドリブルが持ち味。左サイドを切り裂き、決定機を演出する。カットインからのミドルシュートも威力十分だ。
ブラジル国内ではサントス有利の見方が強い
▼チーム紹介
クカ監督は国内有数の戦術家にして稀代のモチベーターだ。13年にアトレチコMGを南米王者に導いた名将で、昨年8月に監督に就任。クラブのDNAを重んじてチームを刷新し、攻撃的なスタイルに回帰した。
ベースのシステムは4-3-3、もしくは4-4-2。相手のプレー内容や時間帯によってハイプレスとブロック守備を使い分け、左のソテルド、右のマリーニョの小柄なドリブラーがサイドを切り裂いてチャンスを作り、中央のカイオに合わせる。
中盤の3人のミドルシュートも威力があり、重要な得点源だ。
守備の課題は、ウイングとSBが高い位置を取った後、その後方のスペースを相手にえぐられた際の対応だ。アンカーのアリソンと両SBの連携が鍵になってくる。
グループステージを5勝1分けの首位で突破し、準々決勝で強豪グレミオに2試合合計5-2。ボカとの準決勝は押し気味に戦ったアウェーで引き分け、ホームで3-0と快勝した。南米でいま最も波に乗っているチームだろう。
準決勝第2レグの試合内容に限れば、決勝で戦うパルメイラスをはるかに上回っていただけに、ブラジル国内ではサントス有利の見方が強い。
敵も得意とするサイドの攻防で序盤から主導権を握ってプレーできれば9年ぶりの戴冠が見えてくる。
文●沢田啓明
※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年2月4日号から転載