長友がすべきことは、残り8試合で良いプレーを見せることだ。
また、サミール・ハンダノビッチの慰留が難しいと思われるだけに、新たなGKも探す必要がある。こちらは、サンプドリアとの契約が6月で切れるセルヒオ・ロメロでほぼ決まりのようだが、チェルシーのペトル・チェフという声もある。ただ、彼の現在の年俸は500万ユーロと高額で、こちらも財政面の事情でストップがかかりそうだ。
イタリア人GKが欲しいというならふたりの候補がいる。1人目はジェノアのマッティア・ペリン。「インテルのレジェンドGKワルテル・ゼンガを彷彿とさせる」とエリック・トヒル会長は言うが、似ているのはプレーではなくヘアスタイルのような気も……。
2人目は、アタランタのマルコ・スポルティエッロ。しかしペリン同様、獲得するのに必要な額は1000万ユーロを下ることはないだろう。
MFでは前述した通り、ポールポジションにいるのはヤヤ・トゥーレだ。しかし、彼の横には有能なレジスタが必要である。マンチーニは当初、ジェレミー・トゥラランを狙っていたが、モナコと契約を延長したことで可能性は消えた。現時点での候補には、リバプールのルーカス・レイバが再浮上、またウディネーゼのアランも名前が残っている。
さて、こうした動きを常に注視しなければならないのが、長友佑都だ。彼のインテルとの契約は来夏で切れる。つまり契約更新をしない限り、今夏に放出されてもおかしくないのだ。今、彼を売ればインテルは移籍金を得られるが、来年では一文の得もなく彼を手放さなくてはならなくなる。
だからこそ、“ユウト”は残された8試合で最大限の働きを見せ、インテルに契約更新を納得させなければならない(彼がインテルに残りたいのであれば、だが)。
今シーズンはこの小柄な日本人選手にとって、かなりアンラッキーなものとなっている。運動量の豊富さを最大の武器とする彼は、数回の怪我によって苦しめられた。フィジカルコンディションが万全でなければ、長友のようなタイプの選手はその良さを活かしきれないのだ。
ワルテル・マッザーリが監督の時にはほぼレギュラーとしてプレーしていた彼も、マンチーニに代わってから、スタメンとしての出場回数はかなり減っている。その主たる理由は、コンディション不良のせいだ。
マンチーニは長友をあまり買っていない、という声もあるが、そんなことはない。マンチーニは常に、長友のスピードとポジショニングにおける柔軟性、そしてプロ精神を高く評価している。
もちろん、これに戦術的センスと守備能力がより加わることをマンチーニは期待し、日々長友を鍛えている。これは弱点の克服というよりは、より現代的なSBとなるための練習である。長友がより持久力をつけることで、インテルをハイレベルのチームに導いてほしいと指揮官は考えているのだ。
とにかく今後、ユウトがなすべきは、良いプレーを続けること、それだけだ。
あとは、様々な条件が複雑に関わってくるだろう。例えばこの1月にも、イングランドのクラブから、長友への獲得オファーが到来していた。この話がなくなったのは、彼が怪我をしたこと、さらにインテルの他のSBまでもが戦線を離脱してしまったからである。
しかし、今後もこうしたオファーが舞い込んでくるかもしれないし、400万~500万ユーロの金額であれば、インテルは長友の売却を考えるだろう。
これから夏に向け、インテルだけでなく全てのチームが、それぞれの思惑を胸に動き出すことだろう。
文:マッテオ・ブレガ(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙インテル番記者)
翻訳:利根川晶子
イタリア人GKが欲しいというならふたりの候補がいる。1人目はジェノアのマッティア・ペリン。「インテルのレジェンドGKワルテル・ゼンガを彷彿とさせる」とエリック・トヒル会長は言うが、似ているのはプレーではなくヘアスタイルのような気も……。
2人目は、アタランタのマルコ・スポルティエッロ。しかしペリン同様、獲得するのに必要な額は1000万ユーロを下ることはないだろう。
MFでは前述した通り、ポールポジションにいるのはヤヤ・トゥーレだ。しかし、彼の横には有能なレジスタが必要である。マンチーニは当初、ジェレミー・トゥラランを狙っていたが、モナコと契約を延長したことで可能性は消えた。現時点での候補には、リバプールのルーカス・レイバが再浮上、またウディネーゼのアランも名前が残っている。
さて、こうした動きを常に注視しなければならないのが、長友佑都だ。彼のインテルとの契約は来夏で切れる。つまり契約更新をしない限り、今夏に放出されてもおかしくないのだ。今、彼を売ればインテルは移籍金を得られるが、来年では一文の得もなく彼を手放さなくてはならなくなる。
だからこそ、“ユウト”は残された8試合で最大限の働きを見せ、インテルに契約更新を納得させなければならない(彼がインテルに残りたいのであれば、だが)。
今シーズンはこの小柄な日本人選手にとって、かなりアンラッキーなものとなっている。運動量の豊富さを最大の武器とする彼は、数回の怪我によって苦しめられた。フィジカルコンディションが万全でなければ、長友のようなタイプの選手はその良さを活かしきれないのだ。
ワルテル・マッザーリが監督の時にはほぼレギュラーとしてプレーしていた彼も、マンチーニに代わってから、スタメンとしての出場回数はかなり減っている。その主たる理由は、コンディション不良のせいだ。
マンチーニは長友をあまり買っていない、という声もあるが、そんなことはない。マンチーニは常に、長友のスピードとポジショニングにおける柔軟性、そしてプロ精神を高く評価している。
もちろん、これに戦術的センスと守備能力がより加わることをマンチーニは期待し、日々長友を鍛えている。これは弱点の克服というよりは、より現代的なSBとなるための練習である。長友がより持久力をつけることで、インテルをハイレベルのチームに導いてほしいと指揮官は考えているのだ。
とにかく今後、ユウトがなすべきは、良いプレーを続けること、それだけだ。
あとは、様々な条件が複雑に関わってくるだろう。例えばこの1月にも、イングランドのクラブから、長友への獲得オファーが到来していた。この話がなくなったのは、彼が怪我をしたこと、さらにインテルの他のSBまでもが戦線を離脱してしまったからである。
しかし、今後もこうしたオファーが舞い込んでくるかもしれないし、400万~500万ユーロの金額であれば、インテルは長友の売却を考えるだろう。
これから夏に向け、インテルだけでなく全てのチームが、それぞれの思惑を胸に動き出すことだろう。
文:マッテオ・ブレガ(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙インテル番記者)
翻訳:利根川晶子