アジアカップ2015

3位以内へ、もう負けられない苦境のインテル 望まれる長友佑都の早期復帰

カテゴリ:ワールド

マッテオ・ブレガ

2015年01月29日

マンチーニの理想形は、まだ片鱗をのぞかせるにとどまる。

ポドルスキ(左)とシャキリ(右)という一流のアタッカーを陣容に加えたが、マンチーニの4-2-3-1はまだまだ発展途上だ。 (C) Getty Images

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 直近のセリエA2試合(19~20節)は連続無得点、1試合あたりの平均得点も前任者に及ばない。ロベルト・マンチーニがインテルの監督に就任して以来の成績は、いまのところ、待ち望んでいたものからは程遠い。
 
 エリック・トヒル会長が昨年11月半ばにワルテル・マッザーリを解任、マンチーニを後任監督に指名したのは、巻き返しを期してのことだった。しかし――。
 
 マッザーリが解任された時(セリエA11節終了後)、インテルは目標とする3位(=チャンピオンズ・リーグ出場圏内)とは勝点5差、5位(=ヨーロッパリーグ出場圏)とは同3差の位置につけていたが、マンチーニが監督になってから9試合でその差はほぼ倍に開いてしまった。
 
 20節終了時点で、3位のナポリとは勝点10差、4位タイのラツィオとサンプドリアとは勝点5差だ。マンチーニの就任は、サン・シーロに熱気を取り戻すという点と、選手たちを納得させるという点においては狙い通りだった。
 
 しかし、それだけではダメだ。やはりピッチでの結果が伴わなければ意味はない。
 
 順位を上げていくには、なによりも持続力が必要だ。どの順位でシーズンを終えるか、それでクラブの実入りは変わる。その結果によって、トヒル会長は今後の計画を見直さなければならない。
 
 冬の移籍市場はあと数日でクローズするが、インテルはこれまでに3人の選手を獲得している。ルーカス・ポドルスキ、ジェルダン・シャキリ、そしてマルセロ・ブロゾビッチ。サイドアタッカー2人とセントラルMFである。
 
 サイドアタッカーのポドルスキとシャキリは、マンチーニが獲得を強く希望した新戦力だ。マッザーリの3-5-2から“自分の”4-2-3-1へ、マンチーニはシステムを変更したかった。そのために欠かせなかったのが、ポドルスキ(アーセナルからレンタル加入)とシャキリ(バイエルンからレンタル加入)だったのだ。
 
 ポドルスキとシャキリをウイングに配し、マテオ・コバチッチをトレクァルティスタ(トップ下)に据える4-2-3-1が、マンチーニの理想形だ。両サイドから多彩な攻撃を仕掛け、1トップのマウロ・イカルディにチャンスボールを集めることもできる。
 
 もっとも、いまのところマンチーニのこのニュースタイルは、その片鱗をのぞかせるにとどまっている。いや、それどころか直近のセリエA2試合、エンポリ戦とトリノ戦ではかなり困難な状態に陥った。
 
 エンポリ戦でのインテルは明らかに精彩を欠き、ほとんどゴールチャンスを作れないまま、B降格の危険水域に沈む相手に押された。結果は0-0の引き分け。
 
 それに比べれば、トリノ戦はまだましだった。とはいえ、それでも十分ではなかった。インテルはボールをキープし、勝利への意欲も感じさせたが、整然と守備を固めてカウンター狙いに徹するトリノを崩すことはできなかった。それどころか、最後の最後にエミリアーノ・モレッティにゴールを奪われ、0-1の敗北……。
 
 このあとインテルを待ち受けているのは、シモーネ・ザザとドメニコ・ベラルディという2人のイタリア代表FWを擁するサッスオーロ戦(2月1日の21節)とコッパ・イタリア準々決勝のナポリ戦(2月4日)。とにかく、2月からはもう失敗は許されない。ヨーロッパリーグは負けたらそこで終わりのノックアウト・ステージに入り、セリエAでも3位という目標に到達するためには、もう勝ち続けるしかない。
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