長友佑都にとって主役に返り咲くための重要な1週間が始まる

カテゴリ:ワールド

マッテオ・ブレガ

2014年11月22日

マンチーニを招聘したのはチームを取り巻く空気を変えるため。

2005-06シーズンからセリエA3連覇を果たし、コッパ・イタリア、スーパーカップも勝ち取った第一次政権時。その一方で戦術的に無策ともいわれたマンチーニ監督は今回、どのようなサッカーを披露するのか。 (C) Getty Images

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 セリエA最下位のパルマに敗れ、その後もヨーロッパリーグ、国内リーグ戦と引き分けが連続……。この結果が、インテルの会長、エリック・トヒルに決断を下させた。
 
 大一番のミラノダービーを待たずして、ワルテル・マッザーリの更迭、そしてかつてインテルに3つのスクデットをもたらしたロベルト・マンチーニが帰還を果たした。
 
 この日曜日、インテルは新指揮官マンチーニとともに新たな出発をする。リーグでのより高い順位を、より自分たちらしいプレーを、そしてサポーターたちの心を取り戻すために――。
 
 トヒル会長は前会長のマッシモ・モラッティをはじめとした、インテルを取り巻く人々の意見を聞いた後、最終的には自分の本能に従って次期監督を選んだ。
 
 マンチーニは百戦錬磨のベテランであり、何よりサポーターを再びスタジアムに呼び戻せる存在だ。つまりこの監督交代劇は、戦術云々のテクニカルな面よりも、チームを取り巻く空気を変えるためという理由が一番大きい。

 確かにマンチーニは、インテルに新たな空気をもたらした。彼のサッカーのフィロソフィーは、有言即実行、チームメイト同士のコミュニケーション、起用法などを常に選手へ明確な説明をすることだ。実際、チーム内の風通しはかなり良くなった。
 
 また、そのシステムもマッザーリのそれとはまるで違う。DFは3バックから4バックへ。これで明らかに2人のSBは両サイドを上がって攻撃に参加しやすくなり、トップの選手たちにチャンスボールを出すことも可能になる。
 
 中盤は5人から3人に。そしてトップの下にはファンタジスタ(マテオ・コバチッチ)を配置し、よりオフェンシブなプレーを展開する。
 
 長友佑都は、体調不良が原因のひとつでもあったが、最近のマッザーリ・インテルに居場所はなかった。マッザーリの頭の中で“ユウト”はレギュラーの資格を持つ存在ではあったが、同じSBにはジョナタンもおり、必ずしも不可欠な存在ではなかった。
 
 いや、もしかしたらジョナタンの方が序列的には上だったかもしれない。マッザーリの敷く3-5-2には、攻守の両方ができる長友よりも、よりディフェンブなジョナタンの方が合っていたからだ。
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