「後輩たちにプレーをしっかりと見せることで、形として残すことが大事だと思っています」
関口で印象に残っているのが、12月12日に行なわれた関東大学リーグ1部・21節の国士舘大戦。この一戦で彼はプレーだけでなく、精神的にもチームを牽引する存在であることを改めて周囲に証明した。連戦だったこともあり、この試合で関口はベンチスタート。右サイドバックのポジションに起用されたのは、今季初の公式戦出場となる2年生の市川侑生だった。
試合前日、緊張している後輩に関口は優しく「大丈夫、お前ならできるよ」と声をかけ、続けて「国士舘はこういう守り方をしてくるから、このスペースを狙ったほうがいい」など具体的なアドバイスも送った。
試合中もベンチから市川に積極的に声を掛け、78分に負傷したFW田中和樹に代わって投入されて右サイドバックに入ると、市川が右サイドハーフにポジションを上げた。すると「あいつの持ち味である縦の突破を生かすために、僕はなるべく中よりのポジションを取って、彼をワイドに張らせることで、縦のスペースを開けることを意識した」と、市川がプレーをしやすいような環境を作った。
そして89分にはMF服部剛大のクロスをニアサイドでFW平山駿が繋ぎ、最後は「ゴール前にスペースがあったので、飛び込めば何かが起こると思った」と、関口が気迫で押し込み、値千金の決勝弾を叩き出した。
ちょうどこの時期はサッカー部で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、1か月近く活動休止してから活動再開をしたばかりだった。
「最後の大会も出来ずに終わった他の部活の4年生もいると聞いたので、本当に僕らがサッカーをやっていていいのか疑問に思ったこともありました。でも、サッカーをやりたい気持ちと、試合をさせていただくからには、全ての試合に対して全力でプレーをすることによって、僕らのサッカーで周りを元気付けたり、勇気を与えたりできるかもしれない。そうと思ってプレーしています」
サッカーをやれる環境が決して当たり前じゃない。やるからには全力でやらないと示しがつかないし、自分たちも納得しない。「周りの部員たちにも『サッカーが出来ることに感謝をして、やれることを全力で戦おう』という1点だけ強調してきました」と、チームの先頭に立つ者として責任感を持って毅然と振る舞う彼がいた。
そして、大学サッカー最後の大会でファイナルまで辿り着いた。東海大との決勝に向けて彼はこう決意を口にした。
「優勝を目指すのはもちろんですが、やっぱり僕ら4年生が後輩たちにプレーをしっかりと見せることで、後輩たちに(法政大サッカー部の伝統のひとつとなるように)形として残すことが大事だと思っています」
プレーで示し、結果を掴む。それが4年生に出来る最後であり、最高のメッセージとなる。関口の信念はチームの信念となって、決勝のピッチで表現されるはずだ。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
試合前日、緊張している後輩に関口は優しく「大丈夫、お前ならできるよ」と声をかけ、続けて「国士舘はこういう守り方をしてくるから、このスペースを狙ったほうがいい」など具体的なアドバイスも送った。
試合中もベンチから市川に積極的に声を掛け、78分に負傷したFW田中和樹に代わって投入されて右サイドバックに入ると、市川が右サイドハーフにポジションを上げた。すると「あいつの持ち味である縦の突破を生かすために、僕はなるべく中よりのポジションを取って、彼をワイドに張らせることで、縦のスペースを開けることを意識した」と、市川がプレーをしやすいような環境を作った。
そして89分にはMF服部剛大のクロスをニアサイドでFW平山駿が繋ぎ、最後は「ゴール前にスペースがあったので、飛び込めば何かが起こると思った」と、関口が気迫で押し込み、値千金の決勝弾を叩き出した。
ちょうどこの時期はサッカー部で新型コロナウイルスのクラスターが発生し、1か月近く活動休止してから活動再開をしたばかりだった。
「最後の大会も出来ずに終わった他の部活の4年生もいると聞いたので、本当に僕らがサッカーをやっていていいのか疑問に思ったこともありました。でも、サッカーをやりたい気持ちと、試合をさせていただくからには、全ての試合に対して全力でプレーをすることによって、僕らのサッカーで周りを元気付けたり、勇気を与えたりできるかもしれない。そうと思ってプレーしています」
サッカーをやれる環境が決して当たり前じゃない。やるからには全力でやらないと示しがつかないし、自分たちも納得しない。「周りの部員たちにも『サッカーが出来ることに感謝をして、やれることを全力で戦おう』という1点だけ強調してきました」と、チームの先頭に立つ者として責任感を持って毅然と振る舞う彼がいた。
そして、大学サッカー最後の大会でファイナルまで辿り着いた。東海大との決勝に向けて彼はこう決意を口にした。
「優勝を目指すのはもちろんですが、やっぱり僕ら4年生が後輩たちにプレーをしっかりと見せることで、後輩たちに(法政大サッカー部の伝統のひとつとなるように)形として残すことが大事だと思っています」
プレーで示し、結果を掴む。それが4年生に出来る最後であり、最高のメッセージとなる。関口の信念はチームの信念となって、決勝のピッチで表現されるはずだ。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)