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フライブルクの好調を支える“最高額”のフランス人MF。ブレイクの裏にある“ぶれない”クラブ哲学とは?【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2021年01月20日

補強の際にフライブルクが技術以上に重視する能力とは?

サンタマリアの獲得は「チームに必要なことだった」とシュトライヒ監督は語る。(C)Getty Images

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 フライブルクのスタイルは、ビルドアップからボールを大切にコンビネーションで丁寧に運ぶ。オフ・ザ・ボールの動きでこまめに身体の向きとポジショニングを変えながら主体的にパスを呼び込む。ショートパスだけにこだわらず、ダイナミックなサイドチェンジで一気に展開する。起点を作ったら、後ろから前のスペースに流れ込み、攻略していく。

 基本的なパスやトラップ、ドリブルという技術能力以上に、使うべきスペースをかぎわけて適切なアクションに結びつける認知能力、試合の流れを的確に読むゲームインテリジェンス、チームのために負荷の高いアクションを連続で行なうことをいとわないメンタルティ。これらが備わっていなければ、このチームではピッチに立てないし、そもそもそうした選手を補強リストにはあげないのだ。

 そして、チームにドンピシャの選手を見つけ出してくるのがSDクレメンス・ハルテンバッハだ。もとはフライブルクの育成アカデミーでチーフスカウトを長年務めており、その目利きの確かさは素晴らしい。名前で選手を選ばない。どこのリーグでプレーしているかには捉われない。選手の資質にルーペを当てて、人間性やこれまでの取り組みを調べ上げていく。

 今シーズンでいえば最大の補強ポイントにボランチがあげられていた。パスを引き出し、スペースを作り出し、攻守にカギとなるプレーをするいわばチームの心臓となるポジションにどんな選手が必要なのか。
 
 そうして補強されたのが、サンタマリアだった。フランス1部のアンジェに支払った移籍金は、クラブ史上最高額の1000万ユーロ(約12億5000万円)。これまでは、多額の移籍金で即戦力を獲得するより、まだ他クラブが目をつけていない、若くて粗削りでも、将来有望な選手を主に獲得してきたフライブルクにしては、相当思い切った手ではないか。

 このことが現地で話題になった際、クリスティアン・シュトライヒ監督が「チームにとって補強する必要なポジションがあり、どうしても必要な選手がいるのであれば、そのために投資をする。幸いにも我々は、金額を支払えるだけの経済的な地力を身につけている」と話していたのが印象的だった。

 だが、ドイツ語が一切話せないフランス人のサンタマリアは、適応に時間がかかってしまう。チームが勝てていないというのも、二重にストレスになったことだろう。真面目な選手ほど何とかしないと自分ができること以上のことをやろうとしてしまうものだ。それでも、シュトライヒ監督は一切慌てていなかった。
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