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【選手権コラム】11年越しのリターンマッチ。山梨学院と青森山田、そして日本サッカーはどう変わったのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2021年01月10日

柴崎岳を擁しても勝てなかった青森山田。しかしその後10年で常勝チームに

 2009年度に入り2年生になった未蘭が出場した全試合の記録を見返すと、高校相手には1敗しかしていない。もっとも勝ち続けたからこその代償もあり、関東大会を制した直後のインターハイ予選では主力が次々に故障。冬の選手権山梨県予選も制したが、本大会直前には碓井鉄平主将の腰痛が悪化し、未蘭も右足舟状骨の疲労骨折が判明した。

 幸い碓井は大会を通して徐々に回復し日本一に導くゴールを決めるのだが、未蘭は骨折したままでとても使える状態ではなく、毎試合ラスト20分間だけ出ていくことになった。ただし未蘭がスタメンから消えたことで、前線からのスピーディな守備が高まり機能。ターゲットも分散し、どこからでも崩せる試合が実現した。結果的には、それがノックアウト方式で負け難い戦い方に繋がったと見ることもできる。

 決勝戦で顔を合わせた青森山田は、MFに柴崎岳と椎名伸志の二枚看板を擁すチームだったが、柴崎はまだ卓越したテクニックとセンスを見せる反面、守備は淡泊で運動量も少なかった。山梨学院は2トップと両サイドのMFにスピード豊かなタレントを揃え、序盤からアグレッシブな前がかりの守備を実践。セカンドボールを次々に拾うと、速い攻撃へと転じて主導権を握った。この試合に関しては同じポジションの碓井と柴崎のボールタッチ数の明暗が、そのまま試合の流れを物語っていた。

 だがその後の10年間の歴史を辿れば、両校の経験値には明白な差が生まれた。とりわけ最近の青森山田は、選手権を2度制し、それどころか高体連の枠を超えてJクラブも含めたU-18の日本チャンピオンに2度も輝き、優勝争いの常連となっている。例えば柴崎は、守備面で十二分な伸びしろを残して鹿島へ進み、今では日本代表でも研ぎ澄まされた危機察知能力を示し、水際立ったカバーリングも行なうようになった。小学生時代からすでに将来を嘱望され、年代ごとに日の丸をつけて来た逸材だが、長所を磨き余白を持ってプロの世界に入って来たことになる。
 
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