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「山梨学院に入ってきたのは日本一を取るため」守護神・熊倉匠が決勝で取り戻しに行く3年前の忘れ物――【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2021年01月10日

選手権の県予選では4試合で1失点

熊倉は日本一へ並々ならぬ熱い想いを寄せる。写真:徳原隆元

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 個人としてもキャプテンとしても覚悟を決め、選手権の県予選では4試合で1失点。チームの優勝に貢献し、全国を獲るためのスタートラインに立った。
 
 今大会でも好調を維持し、準々決勝まで1失点。藤枝明誠との3回戦では得意のPK戦で相手のキックを止めるなど、最後尾から抜群の存在感を発揮してきた。
 
 そして、迎えた準決勝の帝京長岡戦。2−0で迎えた後半の中盤以降に2失点を喫してしまう。「今日は正直何もやっていなかったので、PK戦でチームの勝利に貢献したかった。自分はPKが得意なので絶対に止めてやろうと思っていて、止められたので良かったです」。PK戦で2本のシュートを止める活躍でヒーローになったが、プレー内容に全く納得ができなかった。
 
 リードを守れなかった不甲斐なさはある。だからこそ、その借りは決勝で返すしかない。奇しくも決勝の対戦相手・青森山田には、中学時代のチームメイト・安斎颯馬(3年)がいる。
 
 準々決勝後に熊倉が「市立船橋にも知っている選手が多い。ベスト4で会えたらいいねと話した」と振り返ったように、今大会はかつての仲間が多く選手権の舞台に挑んでいた。誰よりも切望していた日本一を懸け、旧友である安斎と対峙するのも何かの縁。舞台は整った。決勝では圧倒的なパフォーマンスで難敵を下し、チームを11年ぶりの優勝に導いて有終の美を飾る。
 
取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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