新潟――ワーストの採点も仕方がない失態。

目の覚めるようなドリブルシュートで一矢報いたラファエル・シルバ。非凡な技術が凝縮されていたゴールだった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

【警告】川崎=角田(4分)、杉本(8分)、レナト(43分)/新潟=R・シルバ(78分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】大久保嘉人(川崎)
■アルビレックス新潟■
――先発出場――
GK 21 守田達弥 4.5
あそこまで崩されたら、GKとしては厳しかったのは理解できる。でも、本当に良いGKなら、決定的なピンチをひとつぐらいは止めてみせるもの。ビッグセーブも見せられず、淡々とゴールを許してしまったのは、いただけなかった。
DF 24 川口尚紀 6
運動量が豊富で、攻め上がるタイミング、ポジショニングも絶妙。平松との好連係で右サイドを抉り、多くのチャンスを作っていた。守備面では1対1の強さを発揮して、自分のエリアではレナトにほとんど仕事をさせなかった。課題はクロスの質。そこを高められれば、リオ五輪を目指す手倉森ジャパンへの復帰も近づくはず。
DF 4 舞行龍ジェームズ 4
せっかくの新潟ペースに水を差す失態……。クリアを杉本に当ててしまい、そのまま持ち込まれて最初の失点の引き金に。さらに、レナトの個人技に翻弄されてゴールを許す始末。ワーストの採点も仕方がない。
DF 2 大野和成 4.5
舞行龍との連係も悪く、あれだけ中央からやられているようでは失点も時間の問題だったか。もう少し、撥ね返す力を見せてほしかった。CBが安定しないと、攻撃も機能しない。そういう意味では、攻守両面で足を引っ張ってしまった。
DF 7 コルテース 6
果敢に前線に上がって行くなど、ファイティングスピリッツに満ちたプレーで奮闘を見せていた。鋭い出足で起点を作らせないディフェンス力も光っていた。
MF 8 レオ・シルバ 6
このチームの中心的存在であることを改めて証明した。ボールを奪う力、ゲームメイク、推進力、そのどれもが素晴らしかった。ただ、レナトにゴールを許した場面では、その前のプレーでレナトを味方と挟み込みに行くも、失敗。そこからレナトに運ばれて、最終的に失点しただけに、悔やまれるワンプレーだった。
MF 6 小林裕紀 5.5
多くのセットプレーでキッカーを務めたけど、ゴールにつなげられなかった。ただ、レオ・シルバとのコンビで相手の2ボランチを消していたのは評価したい。精力的にプレーに絡もうとしていたのも悪くなかった。もっとも、勝負を左右するような働きというほどではなかった。
MF 34 平松 宗 5
ボールを受けるための位置取りと、川口のオーバーラップを活かすプレーは上々の出来。とはいえ、自分でサイドから仕掛けたり、カットインしてシュートを打つとか、相手を慌てさせるような働きが少なく、前半のみで交代。本人も悔しさが残る内容だったと思う。
MF 23 山本康裕 5
こういう言い方は失礼かもしれないけど……あまり印象に残っていない。チャンスメーカーとしてはこれといった仕事ができず、守備は懸命にこなしていたけど特筆すべきものでもなかった。レナトに比べれば、迫力に欠けていた。
FW 14 田中達也 5.5
最初からよく走っていたし、ハイプレスも献身的にこなしていたけど、横からも後ろからも、良い形でパスをなかなか受けられていなかった。彼がチャンスを作る側にいるだけでは、もったいない。逆の立場になれるパターンをチームとして模索すべきだ。時間の経過とともに試合から消えていって、シュートゼロのまま途中交代は無念。
FW 10 ラファエル・シルバ 6
シュートに持ち込めるようなシチュエーションが少なく、イライラが募るゲームだったのではないか。とはいえ、目の覚めるようなドリブルシュートで一矢報いてみせる。トップスピードのなか、あれだけ正確にコースを突いた強烈な一撃はそうそう簡単には打てない。非凡な技術を感じさせる鮮やかなゴールだった。
――途中出場――
MF 18 成岡 翔 5
彼が入るとボールの循環がスムーズになる。後半の頭からピッチに立って、要所でプレーに絡むことで、チーム全体が勢いを取り戻しそうな雰囲気が流れたけど、長くは続かなかった……。ボールに触りながらリズムを作るタイプだと思うので、そうした状況をチームとして多く作り出してあげるのもひとつの手かもしれない。
FW 9 山崎亮平 5.5
ペナルティエリア付近の仕掛けには鋭さがあった。すごくキレもあったし、コンディションは良さそう。バイタルで彼が足もとに収めれば、なにかを起こしそうなオーラを発していたのには好感が持てた。
FW 11 指宿洋史 5
自慢のフィジカルを存分に活かせず、前線の基準点として機能できていなかった。試合の流れに乗り切れないまま、タイムアップを迎えてしまった。
監督
柳下正明 5.5
守備を徹底して、川崎を苦しめた前半の戦いぶりは素晴らしかったけど、ミスからゴールを献上して、用意していたプランは狂ったはず。点差が開くにつれて、苦しい戦いを強いられてしまったようだ。
※MAN OF THE MATCH=岩本氏が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
――試合全体の感想――
今日の試合は新潟が主導権を握る展開だった。最終的には4-1で川崎が完勝したけど、前半の押し込む時間帯に新潟が点を取っていれば、逆に新潟が4-1で勝っていてもおかしくなかったと思う。
新潟は守備もハマっていたけど、でもひとつのミスで流れがガラッと変わってしまった。改めてサッカーとは、単純なミスが命取りになるから、怖いな、と。ただ、そのミスを怖がるあまり、蹴るばかりになってしまうと、今度はつまらないサッカーになってしまう。そこがまたサッカーの難しさだと痛感した。
いずれにせよ、今日はレナトの“4人抜き”のスーパーゴールや、ラファエル・シルバの鮮やかなドリブルシュートも観れたし、お客さんもああいうプレーを望んでいるはず。さすがプロ、と言わんばかりのパフォーマンスをこれからも期待したい。
取材・構成:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
――先発出場――
GK 21 守田達弥 4.5
あそこまで崩されたら、GKとしては厳しかったのは理解できる。でも、本当に良いGKなら、決定的なピンチをひとつぐらいは止めてみせるもの。ビッグセーブも見せられず、淡々とゴールを許してしまったのは、いただけなかった。
DF 24 川口尚紀 6
運動量が豊富で、攻め上がるタイミング、ポジショニングも絶妙。平松との好連係で右サイドを抉り、多くのチャンスを作っていた。守備面では1対1の強さを発揮して、自分のエリアではレナトにほとんど仕事をさせなかった。課題はクロスの質。そこを高められれば、リオ五輪を目指す手倉森ジャパンへの復帰も近づくはず。
DF 4 舞行龍ジェームズ 4
せっかくの新潟ペースに水を差す失態……。クリアを杉本に当ててしまい、そのまま持ち込まれて最初の失点の引き金に。さらに、レナトの個人技に翻弄されてゴールを許す始末。ワーストの採点も仕方がない。
DF 2 大野和成 4.5
舞行龍との連係も悪く、あれだけ中央からやられているようでは失点も時間の問題だったか。もう少し、撥ね返す力を見せてほしかった。CBが安定しないと、攻撃も機能しない。そういう意味では、攻守両面で足を引っ張ってしまった。
DF 7 コルテース 6
果敢に前線に上がって行くなど、ファイティングスピリッツに満ちたプレーで奮闘を見せていた。鋭い出足で起点を作らせないディフェンス力も光っていた。
MF 8 レオ・シルバ 6
このチームの中心的存在であることを改めて証明した。ボールを奪う力、ゲームメイク、推進力、そのどれもが素晴らしかった。ただ、レナトにゴールを許した場面では、その前のプレーでレナトを味方と挟み込みに行くも、失敗。そこからレナトに運ばれて、最終的に失点しただけに、悔やまれるワンプレーだった。
MF 6 小林裕紀 5.5
多くのセットプレーでキッカーを務めたけど、ゴールにつなげられなかった。ただ、レオ・シルバとのコンビで相手の2ボランチを消していたのは評価したい。精力的にプレーに絡もうとしていたのも悪くなかった。もっとも、勝負を左右するような働きというほどではなかった。
MF 34 平松 宗 5
ボールを受けるための位置取りと、川口のオーバーラップを活かすプレーは上々の出来。とはいえ、自分でサイドから仕掛けたり、カットインしてシュートを打つとか、相手を慌てさせるような働きが少なく、前半のみで交代。本人も悔しさが残る内容だったと思う。
MF 23 山本康裕 5
こういう言い方は失礼かもしれないけど……あまり印象に残っていない。チャンスメーカーとしてはこれといった仕事ができず、守備は懸命にこなしていたけど特筆すべきものでもなかった。レナトに比べれば、迫力に欠けていた。
FW 14 田中達也 5.5
最初からよく走っていたし、ハイプレスも献身的にこなしていたけど、横からも後ろからも、良い形でパスをなかなか受けられていなかった。彼がチャンスを作る側にいるだけでは、もったいない。逆の立場になれるパターンをチームとして模索すべきだ。時間の経過とともに試合から消えていって、シュートゼロのまま途中交代は無念。
FW 10 ラファエル・シルバ 6
シュートに持ち込めるようなシチュエーションが少なく、イライラが募るゲームだったのではないか。とはいえ、目の覚めるようなドリブルシュートで一矢報いてみせる。トップスピードのなか、あれだけ正確にコースを突いた強烈な一撃はそうそう簡単には打てない。非凡な技術を感じさせる鮮やかなゴールだった。
――途中出場――
MF 18 成岡 翔 5
彼が入るとボールの循環がスムーズになる。後半の頭からピッチに立って、要所でプレーに絡むことで、チーム全体が勢いを取り戻しそうな雰囲気が流れたけど、長くは続かなかった……。ボールに触りながらリズムを作るタイプだと思うので、そうした状況をチームとして多く作り出してあげるのもひとつの手かもしれない。
FW 9 山崎亮平 5.5
ペナルティエリア付近の仕掛けには鋭さがあった。すごくキレもあったし、コンディションは良さそう。バイタルで彼が足もとに収めれば、なにかを起こしそうなオーラを発していたのには好感が持てた。
FW 11 指宿洋史 5
自慢のフィジカルを存分に活かせず、前線の基準点として機能できていなかった。試合の流れに乗り切れないまま、タイムアップを迎えてしまった。
監督
柳下正明 5.5
守備を徹底して、川崎を苦しめた前半の戦いぶりは素晴らしかったけど、ミスからゴールを献上して、用意していたプランは狂ったはず。点差が開くにつれて、苦しい戦いを強いられてしまったようだ。
※MAN OF THE MATCH=岩本氏が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
――試合全体の感想――
今日の試合は新潟が主導権を握る展開だった。最終的には4-1で川崎が完勝したけど、前半の押し込む時間帯に新潟が点を取っていれば、逆に新潟が4-1で勝っていてもおかしくなかったと思う。
新潟は守備もハマっていたけど、でもひとつのミスで流れがガラッと変わってしまった。改めてサッカーとは、単純なミスが命取りになるから、怖いな、と。ただ、そのミスを怖がるあまり、蹴るばかりになってしまうと、今度はつまらないサッカーになってしまう。そこがまたサッカーの難しさだと痛感した。
いずれにせよ、今日はレナトの“4人抜き”のスーパーゴールや、ラファエル・シルバの鮮やかなドリブルシュートも観れたし、お客さんもああいうプレーを望んでいるはず。さすがプロ、と言わんばかりのパフォーマンスをこれからも期待したい。
取材・構成:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)