まるでプロ15年目のベテランのように…
20年冬に移籍したヴィルツは、新型コロナウイルスの影響による中断から、再開後最初の試合で早速スタメン出場を果たすなど、プロの舞台ですでに25試合に出場。市場価値は2400万ユーロ(約30億円)にものぼっているが、世間の喧騒に惑わされることなく、地に足をつけた毎日を過ごしている。
監督のペテル・ボッシュが、日々のスケジュールについて次のように説明していた。
「毎朝7時30分に学校に行く。9時45分にはクラブへ来て、10時からチームトレーニングに臨む。試合数が多いので、トレーニングは1時間だ。シャワーをして、昼食を食べたら、午後はまた学校に行く。彼の両親とは約束をしたんだ。彼にとって今一番大事なのは学校だと。いま最後の一年だからね」
シーズン開始前には元ドイツ代表マリオ・ゲッツェ加入の噂があった。ドルトムント時代にボッシュ監督のもとでレギュラーとしてプレーしていたという過去もあり、ボッシュ自身もそのことを認めていたが、「だが、我々には同ポジションにフロリアン・ヴィルツがいる」と語り、獲得を見合わせたことを後日明かしている。
フィジカル、テクニック、戦術理解、メンタルとすべてにおいて完成度が高いヴィルツだが、とりわけプレーインテリジェンスに優れている。ボールを受ける前に周りの状況をクリアにスキャンしているので、プレー判断が非常に速い。相手のプレッシャーにも全く動じず、狭いエリアで相手の激しいチャージを受けても、慌てることなく的確なプレーを見せている。
監督のペテル・ボッシュが、日々のスケジュールについて次のように説明していた。
「毎朝7時30分に学校に行く。9時45分にはクラブへ来て、10時からチームトレーニングに臨む。試合数が多いので、トレーニングは1時間だ。シャワーをして、昼食を食べたら、午後はまた学校に行く。彼の両親とは約束をしたんだ。彼にとって今一番大事なのは学校だと。いま最後の一年だからね」
シーズン開始前には元ドイツ代表マリオ・ゲッツェ加入の噂があった。ドルトムント時代にボッシュ監督のもとでレギュラーとしてプレーしていたという過去もあり、ボッシュ自身もそのことを認めていたが、「だが、我々には同ポジションにフロリアン・ヴィルツがいる」と語り、獲得を見合わせたことを後日明かしている。
フィジカル、テクニック、戦術理解、メンタルとすべてにおいて完成度が高いヴィルツだが、とりわけプレーインテリジェンスに優れている。ボールを受ける前に周りの状況をクリアにスキャンしているので、プレー判断が非常に速い。相手のプレッシャーにも全く動じず、狭いエリアで相手の激しいチャージを受けても、慌てることなく的確なプレーを見せている。
トラップをして相手を食らいつかせた方がいい時と、相手の動き出しを見越してダイレクトではたく場面におけるプレーの使い分けには乱れがなく、まるでプロ15年目のベテラン選手のようだ。
第12節古巣ケルンとの試合でもスタメン出場し、1ゴールをマーク。味方選手のパスワークで相手DFが混乱しているのを見逃さずに、ゴール前のスペースで待ち受けると、見方のパスをスムーズにコントロールし、GKが迫ってくるのに落ち着き払った様子で、ループシュートを放ってゴールを決めた。
そんなヴィルツだけに、クラブは可能な限り長くチームのとどめておきたい。まだ17歳なのでレバークーゼンは最大3年間有効の育成契約でつなぎ、ヴィルツが18歳になる21年5月3日に25年、26年までのプロ契約に即座に切り替わるという2段構えのモデルで契約延長を準備している。
カルムントは「すでにチームに欠かせない存在になっていることをうれしく思う。中盤のポジションはライバルが多いことはわかっているが、フロリアンは代表選手となり、ワールドクラスになっていくと確信しているんだ」と目を細める。
すでに何度か招集されているU-21代表として今夏ハンガリーとスロベニアで開催予定のU-21欧州選手権に出場する可能性は高い。22年カタールW杯はまだ時期尚早だとしても、24年の欧州選手権のころにはひょっとしてもう候補に入ってくるかもしれない。どこまでも期待を抱かせてくれる逸材の今後が楽しみでしょうがない。
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)
ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中
第12節古巣ケルンとの試合でもスタメン出場し、1ゴールをマーク。味方選手のパスワークで相手DFが混乱しているのを見逃さずに、ゴール前のスペースで待ち受けると、見方のパスをスムーズにコントロールし、GKが迫ってくるのに落ち着き払った様子で、ループシュートを放ってゴールを決めた。
そんなヴィルツだけに、クラブは可能な限り長くチームのとどめておきたい。まだ17歳なのでレバークーゼンは最大3年間有効の育成契約でつなぎ、ヴィルツが18歳になる21年5月3日に25年、26年までのプロ契約に即座に切り替わるという2段構えのモデルで契約延長を準備している。
カルムントは「すでにチームに欠かせない存在になっていることをうれしく思う。中盤のポジションはライバルが多いことはわかっているが、フロリアンは代表選手となり、ワールドクラスになっていくと確信しているんだ」と目を細める。
すでに何度か招集されているU-21代表として今夏ハンガリーとスロベニアで開催予定のU-21欧州選手権に出場する可能性は高い。22年カタールW杯はまだ時期尚早だとしても、24年の欧州選手権のころにはひょっとしてもう候補に入ってくるかもしれない。どこまでも期待を抱かせてくれる逸材の今後が楽しみでしょうがない。
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)
ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中