「僕はPK戦になっても勝てると思ってました」
この延長戦前、島岡監督がベンチで「残り20分楽しめるじゃないか」と言ったコメントはメディアでも報じられた。この言葉は強がりでも計算でもなく、本音だった。試合終盤、「南葛SCが目指すべきサッカーはなにか」をずっと考えていた延長線上にあった言葉だったのだ。
「選手たちはしんどそうでした。でも延長戦になった時点で開き直ってましたね。もうやるしかない。いこう。大丈夫だ。そんな雰囲気が高まっていて、逞しくなったなと感じさせられました。僕の言葉は必要なかったかもしれません」
選手たちの開き直りとも取れる強い心は延長戦前半、すぐに結果として出た。加藤颯人が、河本明人が立て続けにゴール。難しい流れの中、底力でペースを引き戻し、4-2で勝利。執念で宿願の関東リーグ昇格をもぎ取った。
「本当に勝った今だから言えることなんですけど(笑)、僕はPK戦になっても勝てると思ってました。選手たちのキックの技術は高いですし、GKの大河原はPKに強いですから。サッカーはなんでも起こりうる。何かが起きて当然なのだから、そんなことをいちいち気にするより、自分たちがすべきことをやり続けることの方が大切。それはJリーグのコーチ時代に見て学んだことです。監督はドンと構えて動じない強さが必要だと。楽観的と言いながら、もちろん不安はどこかにあると思いますし、なければいけないとも思います。でもその不安は“もっと強くなろう”“もっと上手くしよう”と思考を掻き立てるモチベーションにするようにしています」
準決勝の翌日、南葛SCはこれまで出場機会が限られていた選手の多くが先発し躍動。2-1でアヴェントーラ川口(埼玉2位)を下し、見事優勝という形で1年を締めくくった。
「サッカーではなんでも起こりうる。でもそんなことは関係ないと思えるほど確固たる自信があって、シーズン終了に向けてどんどんその自信は深まっていきました。攻撃時もペナルティエリアに5人くらい入っていくシーンがたくさん出てきて、いったいどんな得点シーンが生まれるんだろう? というワクワクで毎試合が楽しかった。僕は練習で積み重ねていっただけですけど、選手たちが強い意志を持って遂行してくれた。選手たちにそこまで練習を重ねる環境を整えてくれたクラブのスタッフ、関係者みなさんにも感謝です」
試合前から試合後まで「監督はドンと構えて動じない」姿勢を貫いているように見えた島岡監督。だが、シーズン中の全てのゴールシーンでは、一瞬だけ声を出してガッツポーズをしていたという。その刹那の喜びを知っていたのは、おそらくすぐそばで見ていた高木健旨ヘッドコーチとベンチの面々だけだろう。
「選手たちはしんどそうでした。でも延長戦になった時点で開き直ってましたね。もうやるしかない。いこう。大丈夫だ。そんな雰囲気が高まっていて、逞しくなったなと感じさせられました。僕の言葉は必要なかったかもしれません」
選手たちの開き直りとも取れる強い心は延長戦前半、すぐに結果として出た。加藤颯人が、河本明人が立て続けにゴール。難しい流れの中、底力でペースを引き戻し、4-2で勝利。執念で宿願の関東リーグ昇格をもぎ取った。
「本当に勝った今だから言えることなんですけど(笑)、僕はPK戦になっても勝てると思ってました。選手たちのキックの技術は高いですし、GKの大河原はPKに強いですから。サッカーはなんでも起こりうる。何かが起きて当然なのだから、そんなことをいちいち気にするより、自分たちがすべきことをやり続けることの方が大切。それはJリーグのコーチ時代に見て学んだことです。監督はドンと構えて動じない強さが必要だと。楽観的と言いながら、もちろん不安はどこかにあると思いますし、なければいけないとも思います。でもその不安は“もっと強くなろう”“もっと上手くしよう”と思考を掻き立てるモチベーションにするようにしています」
準決勝の翌日、南葛SCはこれまで出場機会が限られていた選手の多くが先発し躍動。2-1でアヴェントーラ川口(埼玉2位)を下し、見事優勝という形で1年を締めくくった。
「サッカーではなんでも起こりうる。でもそんなことは関係ないと思えるほど確固たる自信があって、シーズン終了に向けてどんどんその自信は深まっていきました。攻撃時もペナルティエリアに5人くらい入っていくシーンがたくさん出てきて、いったいどんな得点シーンが生まれるんだろう? というワクワクで毎試合が楽しかった。僕は練習で積み重ねていっただけですけど、選手たちが強い意志を持って遂行してくれた。選手たちにそこまで練習を重ねる環境を整えてくれたクラブのスタッフ、関係者みなさんにも感謝です」
試合前から試合後まで「監督はドンと構えて動じない」姿勢を貫いているように見えた島岡監督。だが、シーズン中の全てのゴールシーンでは、一瞬だけ声を出してガッツポーズをしていたという。その刹那の喜びを知っていたのは、おそらくすぐそばで見ていた高木健旨ヘッドコーチとベンチの面々だけだろう。