南葛SCとスポンサーの関係とは?【後編】「付加価値」――世界的コンテンツ『キャプテン翼』の存在

南葛SCを象徴する『キャプテン翼』。世界中にファンを抱える名作中の名作だ。写真:田中研治

インタビューに応じてくれたKLab社の大木プロデューサー。南葛SCの関東リーグ昇格に期待を寄せる。写真:田中研治
東京都社会人サッカーリーグ1部に所属する南葛SC。クラブには現在、40社以上のスポンサーがついているが、これほど手厚いサポートを受けるにはやはり、J1など上位カテゴリーのクラブにはない独自の魅力が必要だろう。
そして、実際に南葛SCにはそれがある。
『キャプテン翼』――。サッカーファンで知らない人はいない世界的サッカーマンガが南葛SCの強力なブランドになっているのだ。
今回はこの『キャプテン翼』がクラブとスポンサーにもたらすもの、関係性、そしてすでに動き出している新たな形を探っていく。
――◆――◆――
南葛SCにはあって、他のクラブにはないもの。それは『キャプテン翼』というコンテンツだろう。
もはや説明も不要だが、1981年に週刊少年ジャンプで連載が始まり、それまでサッカー不毛の地と呼ばれた日本にサッカーブームを巻き起こし、アニメは世界に波及した。結果、当時『キャプテン翼』を見て育った世界中の子どもたちが、その後世界を代表する選手に成長した。ジダンやロナウジーニョといった往年の名選手だけでなく、メッシ、そしてエムバペと、現在の世界一流のスターに至るまで作品が継承されている点も見逃せない。彼らがまたメディア化した現在、さらに作品を広げる。『キャプテン翼』は想像以上に世界中で知られているのだ。
その『キャプテン翼』の作者である高橋陽一先生が代表を務め、さらに主人公・大空翼が作品内で所属した南葛SCがリアルなチームとして存在している。結果として世界的なブランドと言える『キャプテン翼』が南葛SCに唯一無二の付加価値をもたらしているのだ。
2017年にスマホ向けアプリケーション『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』をローンチし、世界で3000万ダウンロードを突破したKLab株式会社の大木啓彰プロデューサーは、作品の力もさることながら、南葛SCの広がりについても驚きを経験した。
「南葛SCというクラブ名が作品との親和性を高めていると思います。最近、我々のゲームのユーザーであるスペイン人が、南葛SCのツイッターを始めていました。南葛SCの公式ツイッターでのつぶやきをスペイン語に翻訳して投稿しているアカウントができているんです。たしかに、高橋先生が先頭に立ってJリーグを目指すという南葛SCの姿勢に、原作を疑似体験するようなロマンを感じるのは分かります」
同じくスマホ向けアプリケーションで、現在世界37か国に『TSUBASA+』をローンチした胸ロゴスポンサーの株式会社MIRAIREも期待を寄せる。
「南葛SCは、『キャプテン翼』という世界的に有名なコンテンツが、サッカーファンとの架け橋になっている新しいサッカーチームという印象を持っております」
前回の記事にあったように、『キャプテン翼』が南葛SCをスポンサードするきっかけになったケースは少なくない。一方で、スポンサーである企業が『キャプテン翼』を通して南葛SCの名前を世界に広げるきかっけになるケースもある。『キャプテン翼』を中心にクラブとスポンサーが互いを高め合う理想的な関係。これこそが南葛SCならではの魅力だろう。
そして、実際に南葛SCにはそれがある。
『キャプテン翼』――。サッカーファンで知らない人はいない世界的サッカーマンガが南葛SCの強力なブランドになっているのだ。
今回はこの『キャプテン翼』がクラブとスポンサーにもたらすもの、関係性、そしてすでに動き出している新たな形を探っていく。
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南葛SCにはあって、他のクラブにはないもの。それは『キャプテン翼』というコンテンツだろう。
もはや説明も不要だが、1981年に週刊少年ジャンプで連載が始まり、それまでサッカー不毛の地と呼ばれた日本にサッカーブームを巻き起こし、アニメは世界に波及した。結果、当時『キャプテン翼』を見て育った世界中の子どもたちが、その後世界を代表する選手に成長した。ジダンやロナウジーニョといった往年の名選手だけでなく、メッシ、そしてエムバペと、現在の世界一流のスターに至るまで作品が継承されている点も見逃せない。彼らがまたメディア化した現在、さらに作品を広げる。『キャプテン翼』は想像以上に世界中で知られているのだ。
その『キャプテン翼』の作者である高橋陽一先生が代表を務め、さらに主人公・大空翼が作品内で所属した南葛SCがリアルなチームとして存在している。結果として世界的なブランドと言える『キャプテン翼』が南葛SCに唯一無二の付加価値をもたらしているのだ。
2017年にスマホ向けアプリケーション『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』をローンチし、世界で3000万ダウンロードを突破したKLab株式会社の大木啓彰プロデューサーは、作品の力もさることながら、南葛SCの広がりについても驚きを経験した。
「南葛SCというクラブ名が作品との親和性を高めていると思います。最近、我々のゲームのユーザーであるスペイン人が、南葛SCのツイッターを始めていました。南葛SCの公式ツイッターでのつぶやきをスペイン語に翻訳して投稿しているアカウントができているんです。たしかに、高橋先生が先頭に立ってJリーグを目指すという南葛SCの姿勢に、原作を疑似体験するようなロマンを感じるのは分かります」
同じくスマホ向けアプリケーションで、現在世界37か国に『TSUBASA+』をローンチした胸ロゴスポンサーの株式会社MIRAIREも期待を寄せる。
「南葛SCは、『キャプテン翼』という世界的に有名なコンテンツが、サッカーファンとの架け橋になっている新しいサッカーチームという印象を持っております」
前回の記事にあったように、『キャプテン翼』が南葛SCをスポンサードするきっかけになったケースは少なくない。一方で、スポンサーである企業が『キャプテン翼』を通して南葛SCの名前を世界に広げるきかっけになるケースもある。『キャプテン翼』を中心にクラブとスポンサーが互いを高め合う理想的な関係。これこそが南葛SCならではの魅力だろう。