• トップ
  • ニュース一覧
  • ブレーメン大迫勇也のスタメン復帰には何が必要? 守り重視のチームで課せられている過酷な役割【現地発】

ブレーメン大迫勇也のスタメン復帰には何が必要? 守り重視のチームで課せられている過酷な役割【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2020年12月11日

昨シーズンの残留争いから逃れるために、チームは守備を第一にしている

シュツットガルト戦でも前線で孤軍奮闘する場面もみられた。 (C)Getty Images

画像を見る

 昨シーズンは残留ぎりぎりまで追い込まれたコーフェルトにとって、守備組織へのこだわりが非常に強い。ずれを許さず、相手のチャンスを可能な限り少なくすることを、チームに要求している。

 その分、攻撃が手薄になることには目をつむってでも、いまは堅実に勝ち点1ずつを積み重ねていくことに集中している。大迫も、外からや味方からの指示を受けながら、ダッシュを繰り返しながらプレスの局面を作り出そうとする。

 ただ、この試合ではヴォルフスブルク攻撃陣の動きをブレーメンがなかなか捕まえることができない。プレスが少しずれ、スペースにうまく侵入され、そこから素早い攻撃を許してしまう。ここまで8試合で9ゴールと得点力に問題を抱えていたヴォルフスブルクに、爆発のきっかけを与えてしまった。

 一方でコーフェルトが「攻撃に関しては今シーズンでベスト」というように、リーグ最少失点だったヴォルフスブルク(第8節時に5失点)相手に3得点取れたのは、ひとつポジティブな要素ではある。大迫は前線でつぶされる局面のほうが多かったもしれないが、それでも相手にボールへアプローチさせない状況をうまく作り出したときは確かなポストプレーで攻撃の起点を作り出していた。
 
 昨シーズン、あるいは今季開幕戦と比べるとボールが前線に入った時の味方選手によるサポートスピードが上がっているため、パスの選択肢がある分プレーはしやすかったのではないだろうか。

 ただ、シュートに持ち込むシーンがなかったところはやはりFWとして寂しい。69分のゴール前でパスを受けたシーンでは、ターンしてシュートを狙おうとするが、打ちきれない。

 チームとして勝てなかったこと、そしてサージェントが復帰してくることから、次節ではベンチスタートとなるかもしれない。それでもこの日のパフォーマンスは今後コーフェルト監督の選択肢にこれまで以上に入ってくるだけのアピールにはなったはずだ。

 前線で相手DFのマークを受けながらもつぶされずにボールを収めてチャンスにつなげる、あるいは自身でシュートに持ち込めるようにフィジカルコンディションを上げ、パフォーマンスをアップさせることができれば、今後、スタメン復帰の可能性は高くなっていくだろう。
 
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中
【関連記事】
「日本での評価が極めて高い」ブレーメン地元紙が大迫勇也の移籍を予想!? SDは売却否定も「放出候補」と紹介!
「日本の2~3クラブから…」長谷部誠が“引退報道”に本音を明かす! 「サッカーの世界では何でも起こる」
「やる気がないように見られがちだけど…」絶好調・鎌田大地がフランクフルト地元紙に語った本音。長谷部誠からの“ダメ出し”とは?
「リツはうちのメッシ!」堂安律が独誌のブンデス第10節ベスト11に選出!「本物だと確信した」
「レバンドフスキと肩を並べた」鎌田大地を“スター候補生”として独老舗サッカー紙が絶賛!「飛び立とうとしている」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ