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【コラム】「マラドーナ、冗談じゃない!」数多の称賛とブーイングを浴びた本当のヒーロー

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2020年11月27日

メキシコで主役、イタリアで敵役となり、アメリカでは追放されて姿を消す

90年イタリアW杯では前評判の高くなかったアルゼンチンを決勝まで導いたが、その舞台では大ブーイングを浴びた。(C) Getty Images

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 以前カズ(三浦知良)にインタビューをした時に「本当のヒーローにはアンチが半分はいる」と語っていたが、マラドーナはまさに典型だった。皇帝と呼ばれたフランツ・ベッケンバウアーが漏らしていたように「サッカーでは天才だが、人間としては…」との見方が一般的で、何かにつけて物議を醸した。

 86年メキシコ・ワールドカップでマラドーナのプレーを堪能できたのは、自分自身の人生でもハイライトだったと思う。準々決勝の対イングランド戦の2ゴールは今でも語り草。5人抜きは、正々堂々が基本でファウルをしてでも止めようとしないイングランドが相手だから実現したという見方も強いが、82年スペイン大会をチームメイトとして戦ったオズバルド・アルディレスは明確に否定していた。

「私は何度も何度も見返した。あれは相手がイングランドの選手でなくても止めるチャンスはなかった」

 ただし直前の「神の手」ゴールは、卑怯を嫌う英国では完全否定され、マラドーナがピッチに立つとスタジアムはブーイングの坩堝と化した。

 とにかくマラドーナの発想は、良くも悪くも規格から大きくかけ離れ、何をやらかすか判らない玉手箱のような楽しさが詰まっていた。それだけに94年米国大会でドーピング違反により去っていった時の喪失感は、半端ではなかった。メキシコ大会で文句なしに主役としてスポットライトを独占したスーパースターは、次のイタリア大会ではアンチとして敵役に回り、再び輝きを取り戻したかに見えた米国大会からは追放されて姿を消した。
 
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