オーストリア遠征で「脱・柴崎」の布石を打てるか
「拳人は大枠で言うと航と同じようなタイプの選手ですけど、また違ったお互いの引き出し方になる。今は僕と航がある程度、試合に出ている環境下ではありますけど、誰かがケガをしたり、パフォーマンスが落ちて出られなくなった時でもチームのレベルを維持・レベルアップしていければいいと思います」
柴崎は橋本と組むイメージをそう思い描いていたが、その関係性を今回2戦のいずれかで確認しておきたいところだ。
もちろん「橋本・遠藤」という構成も考えられる。柴崎が「大枠で言えば同じようなタイプ」と2人を評した通り、デュエルとボール奪取に強みを発揮する点では共通点がある。が、前述の通り、最近はともに攻撃面での進歩が著しい。橋本はロストフで5得点を奪っている実績があるし、遠藤もシュツットガルトではタテパスの精度を格段に高めている。
「ドイツにいる世界基準の中盤はプレッシャーが来ても自分ではがして状況を変えられたり、立ち位置を変えながらボールを保持して逆サイドに展開するとか、そういう能力が高い。日本ではあまり言われなかったことだけど、その感覚は磨かれてきました」と遠藤本人も自信をつけているだけに、そろそろ彼を軸に据えてもいいだろう。
これまでは「ゲームメイクを担う柴崎なしでは日本の中盤は組み立てられない」というイメージが強かったが、どこかで「柴崎依存状況」から脱する必要があるのも確か。幸いにして、2018年ロシア・ワールドカップ以降は柴崎が一度も離脱しておらず、東京五輪世代主体の2019年6月のコパ・アメリカ(ブラジル)でもリーダーを務めていたため、ボランチの穴を露呈せずに済んだが、ここから先は分からない。ゆえに、数少ないテストの場であるこのオーストリア遠征で「脱・柴崎」の布石を打っておくべきだ。
柴崎は橋本と組むイメージをそう思い描いていたが、その関係性を今回2戦のいずれかで確認しておきたいところだ。
もちろん「橋本・遠藤」という構成も考えられる。柴崎が「大枠で言えば同じようなタイプ」と2人を評した通り、デュエルとボール奪取に強みを発揮する点では共通点がある。が、前述の通り、最近はともに攻撃面での進歩が著しい。橋本はロストフで5得点を奪っている実績があるし、遠藤もシュツットガルトではタテパスの精度を格段に高めている。
「ドイツにいる世界基準の中盤はプレッシャーが来ても自分ではがして状況を変えられたり、立ち位置を変えながらボールを保持して逆サイドに展開するとか、そういう能力が高い。日本ではあまり言われなかったことだけど、その感覚は磨かれてきました」と遠藤本人も自信をつけているだけに、そろそろ彼を軸に据えてもいいだろう。
これまでは「ゲームメイクを担う柴崎なしでは日本の中盤は組み立てられない」というイメージが強かったが、どこかで「柴崎依存状況」から脱する必要があるのも確か。幸いにして、2018年ロシア・ワールドカップ以降は柴崎が一度も離脱しておらず、東京五輪世代主体の2019年6月のコパ・アメリカ(ブラジル)でもリーダーを務めていたため、ボランチの穴を露呈せずに済んだが、ここから先は分からない。ゆえに、数少ないテストの場であるこのオーストリア遠征で「脱・柴崎」の布石を打っておくべきだ。
その組み合わせは「橋本・遠藤」でも、「橋本・中山」でも、「遠藤・中山」でも構わない。とにかく目に見える成長を遂げている3人を有効活用しながら、新たなバリエーションを構築し、W杯出場国レベルの強豪と互角に戦えるかどうかをしっかりと確認しておきたい。
「勝利という結果を日本のファンに届けたい」と口癖のように言い続ける森保監督だが、結果にこだわるあまり、戦力や戦術の幅を広げるトライを躊躇してはいけない。特にパナマ戦では大胆なチャレンジに打って出てほしいものだ。
取材・文●元川悦子(フリーライター)