貴重なテストマッチを収益のためだけに国内で続けるのは…
代表の主力である欧州組のプレーをチェックするには、当然ながら現地にいたほうが良いに決まっている。国内組の動向を追うことも大事かもしれないが、現状で代表監督にとってより重要なのは欧州組の状態であり、欧州を拠点にすれば、彼らの所属クラブとの連係も密にできる。
現在、親善試合は国際Aマッチデーに限定されているうえ、大陸をまたいでの連戦はできない。これがネックとなって、日本に強豪国を呼びにくくなってしまった。しかし、欧州でならば列強とのマッチメメイクもやりやすい。また長距離移動も選手の大きな負担になっているので、それを解消するメリットもある。
練習場、試合会場の確保については、過去に何度も欧州遠征をやっているので問題が生じるとは考えにくい。監督、スタッフの日常生活に不便をきたす可能性はあるかもしれないが、一般企業の海外赴任は普通に行なわれている。
いわゆる興行収入の減少が最も大きな問題点だとしても、現実的に国内では試合が組めず、この先の見通しも立たないのだから仕方がない。
現在、親善試合は国際Aマッチデーに限定されているうえ、大陸をまたいでの連戦はできない。これがネックとなって、日本に強豪国を呼びにくくなってしまった。しかし、欧州でならば列強とのマッチメメイクもやりやすい。また長距離移動も選手の大きな負担になっているので、それを解消するメリットもある。
練習場、試合会場の確保については、過去に何度も欧州遠征をやっているので問題が生じるとは考えにくい。監督、スタッフの日常生活に不便をきたす可能性はあるかもしれないが、一般企業の海外赴任は普通に行なわれている。
いわゆる興行収入の減少が最も大きな問題点だとしても、現実的に国内では試合が組めず、この先の見通しも立たないのだから仕方がない。
そもそも貴重なテストマッチを、日本協会の収益のためだけに国内で続けるのは、強化という本来の目的から乖離している。日本代表は依然として人気のあるコンテンツだが、競争力が低下してしまえばその限りではないだろう。いつか国内開催が可能になっても、意味のない強化試合をわざわざ見に行くファンは次第に減っていくのではないか。
ちなみに、他国に活動拠点を置いている代表監督というのは寡聞にして知らない。欧州はもちろん、欧州でプレーする代表選手が多い南米の国々も、その拠点は自国だ。代表選手のほとんどが外国にいるアフリカ諸国でさえ、どういうわけか代表監督だけは国内にいる。
しかし、強化こそが最大の目的なのだから、どう考えても代表監督とそのスタッフの活動拠点は欧州にあったほうがいい。興行面で国内での強化試合開催は重要だったかもしれないが、もうそれもできなくなった。先も読めない。これを機に拠点を欧州に移すのが賢い選択だろう。
文●西部謙司(サッカージャーナリスト)
※『サッカーダイジェスト10月8日号(9月24日発売)』より転載・加筆
ちなみに、他国に活動拠点を置いている代表監督というのは寡聞にして知らない。欧州はもちろん、欧州でプレーする代表選手が多い南米の国々も、その拠点は自国だ。代表選手のほとんどが外国にいるアフリカ諸国でさえ、どういうわけか代表監督だけは国内にいる。
しかし、強化こそが最大の目的なのだから、どう考えても代表監督とそのスタッフの活動拠点は欧州にあったほうがいい。興行面で国内での強化試合開催は重要だったかもしれないが、もうそれもできなくなった。先も読めない。これを機に拠点を欧州に移すのが賢い選択だろう。
文●西部謙司(サッカージャーナリスト)
※『サッカーダイジェスト10月8日号(9月24日発売)』より転載・加筆