【FC東京】空中分解の危険さえ孕む2戦連続のドロー

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年03月15日

18日の新潟戦、22日の神戸戦でひとつでも負けるような事態になれば…

チーム全体のシュート数はわずか2本。視察に訪れた日本代表のハリルホジッチ新監督の苦言も納得の低調さだった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 攻撃陣の不振は、太田の「単純に枚数が足りない」とのコメントからも分かるはずだ。クロスを上げても敵エリア内に味方が少なく、チャンスにつながりにくいと言いたいのだろうが、この左SBは「そこはバランスもあるので、難しい問題です」とも話している。
 
 途中出場した東も「自分的にはもっと前に行きたかったですけど、監督はなによりも失点を嫌いますからね。今日はバランスを重視しました」と、あえて"抑えた"そうだ。
 
 確かに攻撃に人数をかければ、守備のバランスは崩れる。そういう意味で、ゴールは奪えなかったが、無失点で乗り切った点は評価できるのかもしれない。
 
 前節も今節も、いわば負けゲームを引き分けに持ち込み、勝点2を拾ったと考えれば決して悪い結果ではない。開幕2連敗と、2引き分けではチームのテンションもだいぶ違うだろう。
 
 とはいえ、普通につまらないゲームだった。視察に訪れたハリルホジッチ日本代表新監督が「もう少し、やる気や力強さを見せてくれれば」と苦言を呈したのも、頷ける。選手はもちろん必死に頑張っているが、"外部"の反応が異なる時はある。FC東京で満足の行く働きをしたのは、ハリルホジッチ監督も「良かった」と評価した権田だけだった。
 
 GKが最も目立った試合という事実が、FC東京の低調さを物語っている。昨季と同じくホーム開幕戦で引き分け、「またか……」と落胆したサポーターも少なくなかったはずだ。武藤の個人技に依存した攻撃は昨季のままで、横浜戦でシュート0本に終わった前田もいまひとつ機能していない。
 
 3月18日の新潟戦(ナビスコカップ)、同22日の神戸戦(J1・3節)で仮にひとつでも負けるような事態になれば、堅守速攻にこだわるフィッカデンティ監督への不信感がチーム内で高まるかもしれない。内容も良くなく、勝利からも見放されている。開幕戦からの2引き分けはネガティブに捉えれば、チームの空中分解という危険さえ孕んでいる。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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