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カメルーン戦で浮き彫りになった30代ベテラン勢の必要性。カタールW杯まで彼らへの依存は続くのか?

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2020年10月11日

成長スピードを上げなければロシア大会を超えるレベルになるのは難しい

 百戦錬磨の経験値がモノを言う後ろと違って、前線は勢いと数字でグングン成長できるポジションと言えるだろう。森保ジャパン発足後、重用されてきた南野拓実(リバプール)や堂安律(ビーレフェルト)らにはそうした面をカメルーン戦で見せてほしかった。しかし「いつもより攻撃の回数は少なかった」と南野も落胆。堂安もシュートゼロに終わった。鎌田や久保はドリブル突破でチャンスを作ったものの、得点に直結する仕事はできずじまい。個の力で敵を凌駕したのは伊東くらいで、全体に物足りなさが拭えなかった。

 まだ13日の次戦・コートジボワール戦が残されているものの、このまま停滞感が続けば「30代のベテランがいた方がいい」という論調になりかねない。実際、今回ケガで不参加となった岡崎慎司(ウエスカ)、乾貴士(エイバル)は所属クラブでコンスタントに活躍しているのだ。本田圭佑(ボタフォゴ)は現在ブラジルで出たり出なかったりで、香川真司も移籍問題で苦しんでいるが、ロシア大会後も「彼らが代表にいれば何か大仕事をしてくれるかもしれない」と期待させる凄みがあった。だからこそ、大迫は昨夏のインタビューで「確実に現時点ではロシアの時のチームの方が強いと言うのは断言できる。ただ、3年後にはあのレベル以上にならないとダメだと思う」と語気を強めたのだ。

 その後、コロナ禍による1年の空白期間が足かせになって、代表は進化の場を失った。20歳前後の世代はそれぞれクラブで経験を積み、少しずつ前に進んではいるが、目覚ましい数字や結果を残した人間は1人もいない。その成長スピードを一気に上げないと、2年後にロシア以上のレベルになるのは難しいかもしれない。

 2列目アタッカー陣は国内組にも三笘薫や旗手怜央(ともに川崎)、ボランチも田中碧(川崎)ら成長株がいるため、まだまだ若返りの可能性は残されているが、1トップに関しては依然として大迫依存が続いている。目下、ブレーメンで苦しんでいる彼に多くの責任を背負わせた状態は決していいとは言えない。次戦先発が確実視される鈴木武蔵(ベールスホット)には「30代FW陣はもう不要」と言わせるくらいの迫力と勢いを見せてもらいたいところだ。

 いずれにしても、守備陣とFW陣は30代ベテラン頼みの状態から抜け出す見通しがなかなか立たない森保ジャパン。風穴を開ける存在がひとりでも多く出てくることを祈りたい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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