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【カメルーン戦采配検証】システム変更で炙り出された懸念材料。久保のベンチスタートに見えた狙いは?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2020年10月11日

なんとか無失点で持ち堪えたところに逞しさも。欧州で揉まれ続けた選手たちの進化の証

終始カメルーンに押し込まれたが、日本はなんとか無失点で切り抜けた。(C) JFA

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 もっともこうしたリスクが露呈したのも欧州で掛け値なしの「強化試合」が実現したからだ。カメルーン代表は、守護神のアンドレ・オナナ(アヤックス)がコロナに感染し、攻撃の目玉となるエリック=マクシム・シュポモティング(バイエルン)が不在など何人かの主力を欠いたが、歴代のチームと比べても組織的で親善試合で来日してくるアフリカのチームとはレベルが違った。

 森保監督は一応慣れているはずの4バックで送り出したが、おそらくカメルーンのスカウティングから前半の劣勢を想定(危惧)していたのではないか。難局にある日本社会に「勝利で勇気を届けたい」と繰り返しており、まずは結果を手繰り寄せるために無難なスタメンを送り出し、未来の切り札(久保建英)をベンチに置いた。吉田は比較的ロングフィードが目立った前半を「相手が前から出てきているから裏狙いが効果的」との判断とともに「アフリカンはリーチが長くて突かれるから慎重に入った面も」と振り返る。

 しかし両者がフルパワーで入る序盤で、正確なダイレクトパスの連鎖や強固で揺るぎない縦パスへの対応を含めて、カメルーンはゲームの構築に一日の長を見せた。また裏を狙える武器(伊東純也)が加わったのは後半からで、やはり日本はボランチが関わりハイテンポの流動性を生み出せないと主導権は握れない。指揮官は、柴崎岳のパートナーに捲土重来の意味を込めて中山雄太を抜擢したが、ボールを奪い切る才の発掘は依然宿題として残った。

 ただし課題を炙り出すのは強化試合の最重要テーマだ。こうして実のある実戦が組めて、課題が浮き彫りになり、それでもなんとか無失点で持ち堪えた。それは確かに過去には滅多に見られなかった逞しさで、欧州で揉まれ続けた選手たちの進化の証でもある。

取材・文●加部 究(スポーツライター)

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