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「目に見える結果を残したい」鎌田大地が、新シーズン開幕節で見せた “進化”の兆し【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中野吉之伴

2020年09月25日

開幕戦では点数には絡めずも、成長の片鱗は見せた

ブンデス開幕節で対峙した鎌田(右)と堂安(左)。 (C)Getty Images

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 その点では、ビーレフェルト戦では味方がビルドアップでボールを前に運ぼうとするときに、たびたびクレバーなポジショニングを見せる場面が多かったのが印象的だ。相手守備ラインと中盤ラインの間で常にポジションを修正しつつ、味方選手や相手選手の動きを観察しながら、タイミングよくパスコースを作り出していく。

 例えば18分、渋滞気味のセンターから左サイドへすっと移動しながら、相手SBが左ウィングのフィリップ・コスティッチにマークをスライドしようと動き出したのを見て、その隙間にできたスペースに入り込んだ。まさにCBマルティン・ヒンターエッガーが前を向いて縦パスを出そうとしていたタイミング。うまくパスを引き出して、攻撃の起点を作り出していた。

 右サイドでダニー・ダ・コスタがボールを持つと、相手守備裏のスペースに走り込み、FWドストが下がって相手がマークに動くと、その逆に流れた。22分には鎌田を経由して左サイドに展開し、コスティッチのクロスから、ダ・コスタがフリーでダイレクトボレーというチャンスに絡んだ。

 32分にはGKからボランチへの不用意なパスを鎌田が鋭い出足でインターセプト。こぼれ球をフリーで拾ったドストからアンドレ・シウバへパス。ヒールシュートはGKがセーブしたが、前線からの守備で得点機演出というプレーが見られたのはポジティブな点としてあげられるだろう。

 ただ、そこから先のゴール前でのシーンとなると、この日は数字につながるようなプレーは多くはみられなかった。組織だった守備を見せるビーレフェルトに苦しんでいたチームが、ロングボールを多く前線に蹴り入れるようになってしまったという影響もある。

 ただ、監督からの信頼は厚い。この試合の出来に関しても、よく解釈しようと思えばポジティブにとらえることもできるだろう。「若手選手」の範疇で、大目に見ることもできる。でも、その立場に甘んじることをよしとはしないはずだ。

「今年も、試合に出れると決まったわけではないので、ポジション争いもあるので、開幕戦からいいプレーをみせていかないとダメだと思っている」

 そう決意を口にしていたのだから。

 オフェンスの軸として、責任を担う存在なのだ。だからこそ、次の試合ではチームを勝利へ導く活躍をみせることが期待されている。プレッシャーをのりこなし、そのなかでしっかりと結果も残す。そのプロセスが、必ず自身の成長にもつながるはずだ。
 
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかの きちのすけ)

ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中
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