レオナルドSDがフランス代表チームに憤怒
8月30日に陰性と判明してからは、すでに8日が経過していた。「ということはクレールフォンテーヌ合宿中に感染したのか?」という疑問が浮かぶ。だがクレールフォンテーヌでは職員たちも含め検査されており、代表選手たちはシャトー(お城)と専用ピッチを中心にした限られた場所で生活しており、いわば“バリア”の中にいる。
では、「8月30日の直前、休暇先のモナコで感染していたのか?」。だがその場合、潜伏期間が長すぎるうえ、1回ではなく2回の検査が、ともにウィルスを探し当てられなかったことになってしまう。このため科学者たちまで頭を抱えてしまった。
しかもエムバペの感染は、パリSGのレオナルドSDとデシャン代表監督の「丁々発止」にまで発展。レオナルドがエムバペの感染を「メディア報道で知るはめになり、フランス・フットボール連盟(FFF)からは何の連絡もなかった!」と声を荒げて非難したためだった。
では、「8月30日の直前、休暇先のモナコで感染していたのか?」。だがその場合、潜伏期間が長すぎるうえ、1回ではなく2回の検査が、ともにウィルスを探し当てられなかったことになってしまう。このため科学者たちまで頭を抱えてしまった。
しかもエムバペの感染は、パリSGのレオナルドSDとデシャン代表監督の「丁々発止」にまで発展。レオナルドがエムバペの感染を「メディア報道で知るはめになり、フランス・フットボール連盟(FFF)からは何の連絡もなかった!」と声を荒げて非難したためだった。
だが、この件について質問されたディディエ・デシャン監督は、「夕方のトレーニングを終えたそのときに陽性が判明したため、シャワーも使わせずに直ちに家に戻した。ただそれからも手続きがあり、陽性の最終確認が出されたのは22時だった。ところがその間にメディアが嗅ぎつけて報道してしまった」と弁解。代表スタッフや連盟がパリSGを無視した結果ではないとレオナルドに反論した。
エムバペの感染をスクープしたのは由緒ある『France Football』誌のサイトで、ジャーナリストたちはもちろん、「当然の仕事をした」と誇っている。
それにしてもエムバペは、いつどこで感染したのだろうか。陽性が判明した時点で自宅に籠ったことで、他への感染を最小限に食い止めたことは忘れてはならない点だ。
一方で、エムバペと抱き合ってゴールを祝賀したチームメイトは、不安な数日を過ごしたに違いない。エムバペの謎の感染は、新型コロナウイルスの恐ろしさと検査システムの難しさを、改めて突きつける結果になった。
取材・文●結城麻里