【内田篤人|ルーツ】高2でサイドバックに転向。“運命のコンバート”の舞台裏

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2020年09月06日

攻守に要所を締めるクレバーなプレーぶり

体育祭でのひとコマ。内田の周りには自然と人が集まり常に笑顔が絶えなかった。写真提供:森屋雄太

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 しかしながら、代表から清水東高に戻ってくる内田は、いつもの“ウッチー”だった。梅田は清水東高サッカー部の監督として、高原直泰などの逸材も間近で見てきた人物だ。これまで代表やプロを目指す選手を何人も見てきたが、彼らに共通してあるものが、内田には感じられなかったという。

「代表に行きたいとか、プロになりたいって思っている選手は、もともと目標が高くて、それが表に出てくるもんです。でも彼の場合は、不思議とそういう雰囲気がまるで見えない子でした。代表に呼ばれるたびに『また行くの?』って冗談で言ってましたから。そしてチームに帰ってくると、また普通の高校生に戻っちゃう」

 だから、梅田の内田評は、高校3年間を通してあまり変わらない。彼がA代表に選ばれて、ワールドカップ予選を戦うなんて、と首を傾げながら笑った。今でも、内田がすごく素質に恵まれていたとは思わないと言う。

 森屋もまた、「ウチにはアイツよりテクニックのある選手はいたし、キックの巧い選手もいました。足が速い。そう、それくらい」と語った。ただ、そのなかで森屋は、内田の性格に関する興味深い話も聞かせてくれた。

「アイツはああ見えて自分の考え方みたいなものをしっかりと持っている。それを周りにあまり見せないだけで。これは言っちゃいけないっていうラインをちゃんと分かっているんです。僕も含めて、周りのみんながアイツに惹かれる部分だと思います。ちゃらんぽらんに見えて、実はそういうしっかりとしたところがあるんですよ」

 その性格は、サッカーでも垣間見えると森屋は言う。ダイナミックなオーバーラップからの攻撃参加が内田の最大の武器ではあるが、攻守に要所を締めるクレバーなプレーぶりもまた、彼の真骨頂だ。そのプレースタイルと同様、飄々と発する言葉のなかにはいつも、彼なりの確かな計算があり、しっかりとしたゲームプランが見え隠れしているのだ(文中敬称略)。

※『内田篤人引退特集号』は9月7日に発売

構成●サッカーダイジェスト編集部

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