【横浜】開幕直前にブラジルの逸材アデミウソンを獲得!

カテゴリ:Jリーグ

サッカーダイジェスト編集部

2015年03月01日

獲得交渉で重要な働きをしたCFG

2011年のU-17ワールドカップでは日本戦にも出場し、1ゴールを記録。横浜でチームメイトとなる喜田ともこの時に対戦している。 (C) Getty Images

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 司令塔の中村のみならず、ラフィーニャ、伊藤、端戸とCF候補が次々とコンディションを崩すなど、大きな不安を抱えていた横浜は緊急補強に動き、結果的には及第点以上の戦力の補填に成功した。
 
 アデミウソン獲得はいかなる経緯を経て実現したのか。その舞台裏に迫る。
 
――◆――◆――
 
 横浜が残る1枠の外国籍選手の獲得に動き始めたのは2月上旬のこと。宮崎キャンプ中、1トップ候補の矢島卓郎、ラフィーニャ、伊藤翔、端戸仁の4選手が次々と離脱する非常事態に見舞われた。新体制をスタートさせた当初から下條佳明チーム統括本部長は「(補強は)状況に応じて考えていく」と柔軟に対応していく構えを見せており、離脱者多数という形で補強の必要性に迫られたというわけだ。
 
 選手獲得にあたり、最初に求められたのは1トップを務められる資質。と同時に、中村俊輔が長期離脱を強いられたこともあり、2列目でも起用可能なポリバレントな能力も求めた。主力候補のラフィーニャや伊藤が復帰した際にはトップ下、あるいはサイドMFでの起用も視野に入れつつ候補を絞った。
 
 そこで重要な働きをしたのが、資本提携するシティ・フットボール・グループ(以下、CFG)である。プレミアリーグのマンチェスター・シティも属する世界的なグループのスカウト網を活用し、リストアップされた選手、それがアデミウソンだった。横浜が自発的に獲得に乗り出したわけではなく、CFGと情報共有するなかで名前が挙がったという。
 
 獲得に動くにあたり、今季から横浜を率いるエリク・モンバエルツ監督が、昨年のトゥーロン国際大会にU-21ブラジル代表の背番号10として出場していたアデミウソンを現地で目にしていたことも後押しした。「クリエイティブな選手」と指揮官の評価も上々で、交渉が進展していった。
 
 クラブのリリースには16年1月1日までの期限付き移籍としか記されておらず、この契約について嘉悦朗社長は「マリノスとサンパウロFCの間での交渉」と強調。とはいえ前述したようにCFGの存在なくして契約締結はありえなかった。ブラジル国内の報道では完全移籍の買い取りオプションとして750万ユーロ(約10億円)が設定されているという。横浜がこのオプションを行使できる可能性は限りなくゼロに近い。考えられるとすればJリーグで結果を残し、マンチェスター・Cへと羽ばたいていく可能性だろう。
 
 今回の一件はCFGとの資本提携によるメリットを直接的に体感できた最初のケースと言える。今後はこういったプロセスでの選手獲得が増えていくかもしれない。閉塞感漂うJリーグの移籍市場に一石を投じるとともに、Jリーグ草創期のような超一流の助っ人獲得も視野に入ってくる。
 
 アデミウソン獲得は新たな歴史の序章に過ぎない。
 
取材・文:藤井雅彦(ジャーナリスト)
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