ちなみに、昨季も含め３人が揃った試合の戦績は５勝１分け１敗。勝った５試合は全て複数得点という派手なもの。この３人に加え、酒井高徳、古橋が絡む左サイドはJ１最強と言えるだろう。

　では、フェルマーレン復帰がチームにもたらすものは何か。まずビルドアップの安定感が挙げられる。そして彼の機動力を生かした攻撃参加。G大阪戦でも流れの中でゴール前まで一気に攻め上がっている。フェルマーレンの代わりに試合に出ていた渡部博文にはない特長で、この動きが相手の守備陣を撹乱させる効果がある。つまり、チームの攻撃を活性化させる。

　２月のACL以来の公式戦となったG大阪戦では、まだ攻め上がる機会は少なかったが、今後、試合勘が戻ってくれば相手にとっては的を絞りにくい嫌な動きになるだろう。

「（G大阪戦は）久しぶりの試合でリズムを掴んでいかなければいけなかった。それもあって終盤は少し疲れも出たが、いい形にはもってこられたかなと思います。もっと試合を重ね、試合勘を戻していってゲームをできればと思っています」

　彼のコンディションとともに、チームが上昇していく可能性は充分に考えられる。昨季後半にハマった３バックも併用できる。そういう意味でフェルマーレンが復帰し、フル出場したG大阪戦は今後のターニングポイントとなるかもしれない。

取材・文●白井邦彦（フリーライター）