「福岡にはアウェーで絶対にやり返したいと思っている」(西谷)
強いて可能性を挙げるなら、相手2トップに対して数的優位性を持ち、前向きでボールを保持できる3バック両脇には好機があったかもしれない。田向がドリブル突破で何度か打開したように。ただ、ドリブルで運べば「もう少しプレスに来るのかなと思ったが、予想以上に来過ぎなかったというか。中盤にスペースができるのを嫌がったのかもしれない」(田向)と、この誘いにも福岡はお付き合いしてくれなかった。
福岡戦においては前記した2項目をピックアップしたが、収穫も課題も試合に応じて変化するのがフットボールの醍醐味。しかし、いずれにせよ軸となるスタイルがありさえすれば、何に取り組めばいいのかという解は必然として浮かび上がってくる。勝点を積み上げながらの前進が最良であることに異論はないが、そのためにも『スタイルを持って突き進む。その上で課題を乗り越えて行くこと』が重要だと考える。
「福岡にはアウェーで絶対にやり返したいと思っている」(西谷和希)。次の対戦予定は、最終節の12月20日。真価を問うにはちょうどいい。
取材・文●柏原敏(フリーライター)