「非常に難しいタスク」コロナ禍を乗り越え…U-19日本代表はW杯出場権を獲得できるのか?

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年06月19日

気になるライバルたちの動向。影山監督から語られたU-19日本代表とアジア諸国の現状は?

U-19日本代表を率いる影山監督。3大会連続のU-20W杯出場を狙う。写真:松尾祐希

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 去年のメンバー編成を見ても、U-17とU-18のカテゴリーを明確に棲み分けていた。実際に初めて下の世代から選手を呼んだのは、各年代のワールドカップを終わったタイミングで行なわれた12月の福島合宿。そこで三つ巴の紅白戦を行なった際もコアメンバー組、U-17ワールドカップ組、それ以外の3つに分け、意図的に彼らの競争心を煽った。

 迎えた2020年。今年2月のスペイン遠征ではU-19世代に組み込む選手を発掘するべくU-18の年代で海外に足を運んだ。そして、迎えた3月。U-19アジア選手権が開催されるウズベキスタンで、本大会を睨んだシミュレーションを行なおうとしていた矢先に大きな問題が発生する。新型コロナウイルスの影響で全ての活動がストップしたのだ。

「U-19代表は昨秋のアジア選手権予選のベトナム遠征以降、一度も海外で活動できていないんです。本当は3月にウズベキスタンで本大会のシミュレーションをするつもりでした。前回のチームも同じ時期に(U-19アジア選手権が行なわれた)インドネシアで開催地の環境を知ってもらったんです。体調不良の選手が出たりもしましたが、『本番でこうなるとマズイぞ』というのを学べたので起こり得る様々な事象を事前に体験できました。でも、今回は全くできません」(影山監督)
 
 3月以降の活動は全て白紙。Jリーグや高校生年代は5月下旬までチームの活動をほぼ行なえておらず、自主トレーニングで汗を流す状態が続いた。しかし、AFCは現時点で今秋のアンダーカテゴリーの大会を実施するとしている。

「10月の最終予選(U-19アジア選手権)はAFC(アジア・サッカー連盟)から予定変更の連絡はありませんし、これからどこまで最終予選を勝ち抜くための準備ができるのか。非常に難しいタスクであるのは間違いありません」

 未曾有の事態に直面し、今後の活動が不透明な状態で挑む秋のU-19アジア選手権。気になるのはライバルたちの動向だ。本大会で出場する国の状況について、影山監督はこう説明する。

「現時点でウズベキスタンは大会開催について問題ないそうなんです。その中で4月下旬の時点で最終予選に出る16チームの状況をチーム総務が出してくれました。一番厳しかったのがイラン。カタールは今になって感染状況が悪くなってきました。日本は4月下旬の段階で状況が悪い方から並べると、下から3番目。今は下から数えて6番目から7番目ぐらいに来ていると思いますが、一方で韓国はKリーグが再開して6月上旬から育成年代のリーグ戦も動き始めました。なので、6月中に代表活動を再開する方針だと聞いています。

他でも代表活動を始めた国があるみたいです。5月中旬にU-19ベトナム代表のフィリップ・トルシエとメッセージのやりとりをしました。彼はベトナムに残っており、『現状でベトナムのスポーツ関係はどうなんだ』と聞くと、『徐々に日常に戻りつつある』『6月中旬ぐらいからU-19代表のキャンプを10日間ぐらいやるよ』と言っていました」

 動き始めているライバルたち。その中で影山監督は今後どのようなプランでチームを強化するのか。後編では今後の強化策に迫る。

《後編に続く》

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
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