アジアカップでは「チームを律せなかった」と反省。W杯アジア2次予選では無敗を継続
キャプテン・吉田にとって最初の大舞台となったのは、2019年アジアカップ(UAE)だった。初戦・トルクメニスタン戦でいきなりミスから失点を食らうという暗雲立ち込めるスタートを強いられながら、グループリーグを首位で通過し、サウジアラビア、ベトナム、イランという難敵を倒してファイナルまで勝ち上がれたのも、新リーダーの統率力なしには語れなかった。20歳のCB冨安健洋とのコンビは安定感があり、若武者もベテラン・吉田と組むことで普段通りの力を発揮できた。そこは前向きに捉えていい部分だろう。
しかしながら、ご存じの通り、日本は決勝・カタール戦を1-3で落とし、8年ぶりの王座奪還とはならなかった。ボランチ・遠藤航(シュツットガルト)が負傷離脱し、塩谷司(アルアイン)と柴崎岳(ラコルーニャ)が急造コンビを組むことになり、守備バランスが崩れるなど、敗因はいくつかあるが、後半にPKを献上したハンドを含め、全3失点に絡んだキャプテンは、自身の役割を果たしきれなかったことを悔やんだ。
「決勝というのは精神的なところが非常に重要になってくるし、肉体的な部分以上にメンタルの準備をしなければいけない。そこをしっかり締めることができず、チームを律することができなかったのを僕自身が強く感じてます。自分の未熟さをすごく悔いてますけど、この負けからまた進まなければいけない。ここで学んで這い上がって強くなれるかどうかは自分たち次第だと思います」
吉田は神妙な面持ちでそう語ったが、確かに長谷部であれば浮ついた雰囲気が少しでも散見されたら、容赦なく仲間を怒鳴りつけていたかもしれない。リーダーというのは時には味方にも自分自身に対しても鬼にならなければいけない時がある……。彼はこの大会を通じてそう痛感したのではないだろうか。
しかしながら、ご存じの通り、日本は決勝・カタール戦を1-3で落とし、8年ぶりの王座奪還とはならなかった。ボランチ・遠藤航(シュツットガルト)が負傷離脱し、塩谷司(アルアイン)と柴崎岳(ラコルーニャ)が急造コンビを組むことになり、守備バランスが崩れるなど、敗因はいくつかあるが、後半にPKを献上したハンドを含め、全3失点に絡んだキャプテンは、自身の役割を果たしきれなかったことを悔やんだ。
「決勝というのは精神的なところが非常に重要になってくるし、肉体的な部分以上にメンタルの準備をしなければいけない。そこをしっかり締めることができず、チームを律することができなかったのを僕自身が強く感じてます。自分の未熟さをすごく悔いてますけど、この負けからまた進まなければいけない。ここで学んで這い上がって強くなれるかどうかは自分たち次第だと思います」
吉田は神妙な面持ちでそう語ったが、確かに長谷部であれば浮ついた雰囲気が少しでも散見されたら、容赦なく仲間を怒鳴りつけていたかもしれない。リーダーというのは時には味方にも自分自身に対しても鬼にならなければいけない時がある……。彼はこの大会を通じてそう痛感したのではないだろうか。
この教訓を生かし、同年9月から始まった2022年カタールW杯アジア2次予選では確実に最終ラインを統率するとともに、チーム全体がブレないような声かけに努めてきた。相手が格下ということもあるが、ミャンマー、モンゴル、タジキスタン、キルギスと対戦した前半4戦の日本は無失点。11月のキルギス戦では史上8人目となる代表キャップ数100試合を達成するなど、キャプテンらしい存在感を示していた。
しかし、その傍らで所属のサウサンプトンでは出場機会が急激に減少し始めていた。11月以降は出番なしが続き、2020年1月末までの公式戦出場はたったの2試合。うちフル出場したのは1月4日のFAカップ3回戦・ハダーズフィールド戦だけだった。構想外に近い扱いを受けた吉田は冬の移籍期間に新天地を探し、かつて柳沢敦(鹿島ユースコーチ)が在籍したことのあるイタリア・サンプドリアへ6月末までのレンタル移籍が決定。ようやく一息ついたと思われたが、3月8日のヴェローナ戦でデビューを飾った矢先に新型コロナウイルス感染拡大が深刻化し、4か月超もの中断期間を余儀なくされることになった。