「あの時の鹿島は…」現役Jリーガーが認めた「“3連覇”09年アントラーズ」の最強ぶり

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年06月08日

「1点取ったら『あ、この試合は勝ったな』(興梠)

浦和との最終節で、興梠が優勝を決める値千金の決勝点! 内田からの鋭い弾道のクロスに、完璧なタイミングでヘッドで合わせてゴールネットを揺らした。(C)SOCCER DIGEST

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 相手から徹底した対策を練られても、それをモノともせずに勝ち進む。実際、“当事者”はどう感じていたのか。09年シーズンは鹿島に所属し、浦和との最終節でリーグ優勝を手繰り寄せる決勝点をヘッドで叩き込むなど、3連覇に大きく貢献した興梠慎三(浦和)は、次のように回想する。

「この年の鹿島もほとんど負ける気がしませんでしたから。相手から対策されていたけど、まったく苦にならなかったんですよね。普通は1、2点差では気が抜けないけど、当時は1点取ったら『あ、この試合は勝ったな』って自然と思えるような。そんな心の余裕がありましたね」

 先制すれば、勝てる。揺るぎない強さを見せていた当時の鹿島を「手堅いサッカーをしている常勝軍団という印象」と語る宇佐美貴史(G大阪)は、攻守両面の充実ぶりを称賛する。

「ボールを奪った瞬間、スイッチが入り、サイドの選手がガガガっと攻め上がる伝統のカウンター攻撃はめっちゃ鋭く、たまに行き過ぎたら小笠原(満男)さんあたりがケアしながら、最後は2トップのマルキーニョスと興梠慎三くんが確実に決める、と。CBも鉄壁で、崩れる気がしなかったですしね!」

 小笠原については、佐藤も「すべてが高レベルで、根底には“目の前の相手に負けない”というサッカーで最も大事な気持ちを持っていました。あの時の鹿島は、満男さん抜きで語ることはできません」とコメント。チームトップの13ゴールを決めたマルキーニョスに関しては、前線でコンビを組んだ興梠は「マルキは凄かったです。大事なところでしっかりと点を取ってチームを勝たせられるし、難しいクロスも簡単に合わせて決めてしまう。スーパーシュートも多くて、まさに頼れるエースって感じでした」と称える。
 
 興梠とマルキーニョスの2トップに「憎たらしかった」と独特の表現で一目置いているのが、鄭大世(清水)だ。

「興梠はまだ精神的に成熟していなかった印象ですけど、とにかくクレバー。ただ、それを上回るのがマルキーニョスです。ひとりでシュートに持ち込める実力者だけど、周囲を使うのも上手い」

 さらには、「(この2トップを)支えていたのが本山(雅志)さんと野沢(拓也)さんの天才MF。豪華過ぎる陣容ですよね」と続ける鄭は09年シーズン、川崎でプレーしており、「(川崎と鹿島の)直接対決では1勝1分と負けなかった」という。10月の対戦では3-2で競り勝ってみせる。この試合で鄭は2ゴールを挙げる活躍も見せており、苦手意識はなかったかもしれないが、「気づいたら鹿島が優勝していて、改めて1シーズンでの勝負強さを感じましたね」と感心する。
 
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