【J再開後の注目株|札幌】恩師への想いを胸に。完全復活に燃える“ミシャチルドレン”

カテゴリ:Jリーグ

斉藤宏則

2020年06月05日

3月の鹿島との練習試合では3バックの右CBとしてプレー

 駒井といえば、切れ味鋭いドリブルで相手守備を翻弄し、サイドから決定機を演出するのが主たるプレースタイルである。だが、昨季は主にボランチとしてプレーし、中央のエリアからミシャサッカーのさらなる浸透に一役買った。そして今年3月に行なわれた鹿島との練習試合では3バックの右CBとしてプレー。持ち前の攻撃センスを武器にしながら、ポリバレントさも年々、身に着けている。

 これについては「ポジションはどこでも構わない。試合に出られるのならば、どのポジションでもいい。与えられたポジションで全力を尽くすのみ。そしてCBをやってみて感じたのは、どのポジションにも面白さがあるということ。そしてやはり、サッカーは楽しいということ」と口にする。

 今季は新型コロナウィルスの影響により未曾有の中断期間を過ごしている。

「世界中でたくさんの方が亡くなっている。日本国内でも、僕がお名前をよく知っているような著名人の方も亡くなってしまった。サッカーよりも優先すべきことが世の中にあまりにもありすぎた」と振り返る。
 
 再開後に向けては「僕らはサッカー選手なので、サッカーをすることで見てくれている人たちに少しでも元気を与えられたら」と誓う。

 昨季は負傷のため公式戦をスタンドから観ることがほとんどだった。だが、「スタンドから試合を観たことで、熱心に応援してくれているファン、サポーターの方々を違った場所から見ることができた。『やはり、この人たちあっての札幌なんだ』とも再確認できた。またあの大声援を受けながらサッカーがしたい、そう強く願っている」

 ミシャ体制3年目となる今季。よもやのイレギュラーなシーズンとなってしまったが、ミシャと共闘して5年目の節目に、指揮官そしてファン、サポーターとともに最大の歓喜を得るべく、駒井は最高の準備で公式戦に挑む。

 そして「1人の人間として責任を持った行動もしていく」と強く言葉にする。今季の札幌は昨季とほぼメンバーが変わらず、継続性を活かして戦っていくことになるが、その意味では昨季は離脱をしていたこの駒井の復帰は、大きな“戦力補強”と目せるはずだ。

取材・文●斉藤宏則(フリーライター)
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