アジアカップ2015

日本はアギーレを信じるべきだ――旧知の『マルカ』紙記者が綴る

カテゴリ:日本代表

ファン・カストロ

2015年02月01日

垣間見えたのは冷静なその胸の内。

アジアカップ後、アギーレはスペインで休暇を過ごしたようだ。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 過日、私はアギーレと話す機会があった。彼が休暇でスペインに来ていたからだ。曰く、今回のスペイン滞在は証言のためではなく純粋な休暇で、アジアカップを終えて一息入れるのが目的だったという。
 
 それではアギーレ自身は現状をどのように考えているのか。
 
 会話から伝わってきたのは、びくともしないその平静さだった。告発や告発受理といった言葉が、日本で有罪のように受け取られていることについては、さすがに不安を隠さなかった。しかし、その件について、現時点でコメントを出すつもりはないとも付け加えた。
 
「告発という事実が、そのまま有罪に繋がるというわけではない」
 アギーレは、これだけは日本国民に伝えたいということだった。同時に、「完全に無罪だと信じている」ということも――。
 
 サラゴサ対レバンテ戦の前後に起きたことに対して、自分は潔白だとアギーレは自信をもって言い切る。だからこそ、私は彼と話すことができたのだろう。そして彼の冷静な心中を垣間見ることができた。
 
 現時点でのアギーレの一番の心配事は、この一件ではなく日本代表のことだと言う。彼自身にとって、UAE戦の敗北は予期せぬもので、失望そのものだった。選手も同じだろう。誰もこの段階で大会を去る早期敗退は考えていなかったはずだ。
「誰もが連覇の夢を持っていた」
 と彼は言う。
 
 アギーレは、日本代表のベスト8敗退は実力の反映ではないと考えている。UAEに対して、120分間を通じて決定的なチャンスを何度も何度も作ったからだと彼は言う。
「UAEを相手に同じような試合を100回やったら、99回は勝つだろう」
 よりによって1回の負けが、アジアカップの準々決勝になってしまったというわけだ。不運、ゴール前の決定力不足……。
 
 アジアカップに向けての準備は、しっかりとできていたと言う。あのPK戦に勝っていたら優勝していたかもしれない。アギーレはそうも語った。
 
 たしかに、日本は良いサッカーを見せた。内容を振り返れば、大会ナンバー1だったのではないだろうか。
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