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今でも覚えているジャストミートの感触。「俺の中では完璧だった」【福田正博が語る“オフトジャパンの真実”EP4】

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年05月12日

左サイドバック・都並の重要性

このスタメンで挑んだイラン戦でまさかの黒星。続く北朝鮮戦以降、福田はベンチスタートとなった。写真:サッカーダイジェスト

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 結局、サウジアラビアとは0-0のスアレスドロー。この結果を受け、福田の心に広がったのは焦りだった。

「勝たなきゃいけないと思っていた。今なら引き分けでも悪くないと捉えることができたけど、当時はそういう思考ではなかった。すべてにおいて余裕がなかった」

 中東へのコンプレックス、サウジアラビア戦の決定機逸……。福田は負のサイクルに呑み込まれようとしていた。どうにか結果を出そうと、続くイラン戦(10月18日)でもプレーするが、一向にキレは戻ってこなかった。

 この試合は福田に限らず、チーム全体の動きも悪く、立て続けに失点。終盤の88分に決めた中山のゴールで一矢を報いたものの、日本は1-2のスコアで痛恨の敗戦を喫した。
 
 サウジアラビア戦に続き、イラン戦でも精彩を欠いたオフトジャパン。1次予選のように躍動感溢れる攻撃を展開できなかった一因は、都並の欠場にある。この左サイドバックの重要性を福田は次のように語っていた。

「オフトジャパンは、ヴェルディ勢(カズ、ラモス、都並)で形成されていた左のトライアングルでゲームを作って、右サイドはどちらかと言うとハードワークする。そういうチームだった。右サイドバックの堀池さんは基本的に上がって来ないから、右サイドの攻撃全般は俺の役目だったわけ。ただ、それも左でゲームが作れての話。(都並の負傷で)ある意味、全部バランスが崩れちゃったよね。ラモスさんが気持ちよくプレーするためには周りの選手が重要だった。森保にしても、俺にしても、吉田さんもそうだけど、ラモスさんと上手くやりたい。でも、深く関わっているのはカズとサイドバックなんだよ」

 それはオフト監督も十二分に承知していた。だから都並に代わる戦力を必死に探した。しかし、最終予選前のスペイン合宿でテストした江尻篤彦も、最終予選のサウジアラビア戦とイラン戦で起用した三浦泰もいまひとつで、オフト自身も追い込まれていった。「今思えば、当時は戦うだけの戦力が整っていなかった。選手層という部分でね」と福田は言う。

「(左サイドバックは)最終的に勝矢さんを使った。苦肉の策だよね。左足でほとんどボールを蹴れない選手が、ピッチ外に聞きながらプレーしているんだよ。試合中に、『これでいいのか』って。厳しい状況の中で勝矢さんは本当によくやったと思う。ただ、他の選手がどうってことじゃなくて、オフトジャパンで都並さんは文字通り替えの利かないピースだったかな。都並さんが戦えていたら全然違ったはず。チームの雰囲気も含めてね。ある意味、オフトジャパンは出来上がっていたチームだった。ほとんどメンバーを変えずにやってきたからね。でも、それは見方を変えれば選手層が薄いということ。試したい選手がいればオフトも使っていたわけで、結局は総合力が足りなかった」
 
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