【岩本輝雄の英雄列伝|財前宣之編】サッカーの本質を体現する“シンプルさ”に凄み

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2020年05月01日

ダイレクトで簡単に捌く。しかも正確に

仙台を退団後は、同じ東北の山形に移籍。仙台時代と同じく、10番を背負い、2008年にはクラブ史上初のJ1昇格にも貢献した。(C)SOCCER DIGEST

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 ベガルタをJ1へと導いたあのボレーは、見た目も派手で、まさにスーパーゴールだった。だけど、僕が考える財前の一番の魅力は、そういう派手な部分とか、テクニックにものを言わせたプレーとは、少し違うんだよね。

 個人的には、サッカーというスポーツは、余計なことをしないで、どれだけシンプルにできるか、だと思っている。どんな状況でも、当たり前のことを当たり前にこなす。それって、実はすごく難しかったりする。パスを受けて、味方に落とす。練習とかでフリーならできるけど、本番の試合で、相手を背負ってプレッシャーがかかる状態でも、同じようにできるか。

 財前は、それができる選手だった。まず、つまらないミスがほぼない。ミスをしないから、流れを止めずにボールを動かして、チームが上手く回るようにする。それは中盤の選手にとって、とても大事なことだと思う。財前は、本当はボールを持てるし、自慢のテクニックで相手を翻弄できるけど、必要がなければそんな無駄なことはしないで、ダイレクトで簡単に捌く。しかも正確に。だから、周りの選手もやりやすいし、自然と連動性が生まれる。

 財前の凄みは、サッカーの本質を体現する、そんなシンプルさにあったと思う。

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