すべてのゴールがファンタスティック!! 心を揺さぶられたサンパウロ×ミランの大激闘

カテゴリ:国際大会

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年04月29日

レオナルドのアシストはワールドクラス

パパン(写真右から2番目)のヘッドもまたビューティフルゴール。トヨタカップ史に残る一撃だ。写真:サッカーダイジェスト

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 見逃せないのは、5つのゴールすべてがファンタスティックだったこと。先制点は、大きなサイドチェンジをきっかけに右サイドの深い位置からカフーがダイレクトで折り返したクロスが一級品だったところ、ミランの同点弾はサンパウロのゴール前にポーンと高く上がったボールをスライディング気味のシュートで蹴り込んだマッサーロの技術が一流だったところが素晴らしかった。

 サンパウロの2点目で特筆すべきは、レオナルドのプレー。パリーニャから左に展開されたボールを、相手のタイミングを外してグッと縦にドリブルで持ち込む技術は見事のひと言である。パリーニャのパスを受ける瞬間の動作、そこからのスピード、ドリブルしたあとのクロスすべてがワールドクラスだった。

 ミランの2点目も極上品。ドナドーニが軽いタッチでエリア内に蹴り込んだボールに反応したマッサーロがバックヘッドでゴール正面に流すと、パパンがこれまたヘッドで叩き込む。練習でも滅多にお目にかかれない最高のコンビネーションを、この舞台で披露してしまうあたりにとてつもない凄さも感じた。
 
 そして、サンパウロの決勝点。ミューレルがかかとでプッシュしたシュートは確かにラッキーだったが、ミランの守備網を一瞬にして切り裂いたトニーニョ・セレーゾのスルーパスはこのベテランならではの妙技だった。蹴るタイミング、コース、パスの質のいずれもが完璧だった。

 天才サビチェビッチが遠征不参加のミランはベストメンバーを組めなかった。とはいえ、それでトヨタカップ連覇を果たしたサンパウロの偉業が色褪せるわけではない。

 と同時に、試合後、こんなことを思ったのも記憶している。世界のサッカーと比べればJリーグはまだまだマイナーリーグ。それを改めて理解させてくれた一戦でもあった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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