「片っ端から30チームくらいに『練習参加させてほしい』と連絡したけど…」
生計を立てるためにアルバイトをしつつ、次なる移籍先を探した。できれば「なるべく高いレベルでサッカーしたい」との想いから、目指したのはナショナル・プレミアリーグ。Aリーグと昇降格でつながってはいないものの、トップリーグに次ぐ規模で運営しているリーグだ。同リーグでは前述の端山や立花のほかに、過去には元日本代表の田代有三や野沢拓也(ともにウーロンゴン・ウルブズ)もプレーした。
「片っ端から30チームくらいに『練習参加させてほしい』と連絡して、ほとんど返答なかったけど、唯一、反応してくれたのがハコア・シドニーシティイーストFC。約1か月の練習参加をして、活躍できて、契約にこぎつけることができた」
ナショナル・プレミアリーグもリーグ戦は年間22試合。ハコア・シドニーシティイーストFCでは前所属クラブと出場給の額は変わらなかったが、試合出場の有無にかかわらず、給料は支払われたという。そして、オーストラリアでは2部に相当するリーグで、サッカーレベルは上がったようだ。
「イラワラの独立リーグより、技術のある選手が多いから、サッカーレベルはたしかに上がった。だけど、ハコアでは戦術練習もないし、チームとしての決め事もない。だから、どちらかと言えば、スピードのあるドリブラーとか、単独で局面を打開できる選手のほうが活躍しやすい」
ハコア・シドニーシティイーストFCで野路は、右サイドハーフを主戦場にフル稼働してアシストなどを連発。引き立て役に奔走し、チームの年間MVPに選出された。昇給で翌年の契約も勝ち取ったのだ。
「片っ端から30チームくらいに『練習参加させてほしい』と連絡して、ほとんど返答なかったけど、唯一、反応してくれたのがハコア・シドニーシティイーストFC。約1か月の練習参加をして、活躍できて、契約にこぎつけることができた」
ナショナル・プレミアリーグもリーグ戦は年間22試合。ハコア・シドニーシティイーストFCでは前所属クラブと出場給の額は変わらなかったが、試合出場の有無にかかわらず、給料は支払われたという。そして、オーストラリアでは2部に相当するリーグで、サッカーレベルは上がったようだ。
「イラワラの独立リーグより、技術のある選手が多いから、サッカーレベルはたしかに上がった。だけど、ハコアでは戦術練習もないし、チームとしての決め事もない。だから、どちらかと言えば、スピードのあるドリブラーとか、単独で局面を打開できる選手のほうが活躍しやすい」
ハコア・シドニーシティイーストFCで野路は、右サイドハーフを主戦場にフル稼働してアシストなどを連発。引き立て役に奔走し、チームの年間MVPに選出された。昇給で翌年の契約も勝ち取ったのだ。
「でも、ハコアでの2年目はひどかったね。チームとしてもあまり勝てなくて。前期は全試合に出させてもらったけど、後期はまったく出れなかった」
ナショナル・プレミアリーグでは外国人は2枠まで。成績が伸びなければ助っ人枠をテコ入れする傾向があり、しかもシーズン途中の移籍期間には頻繁に選手が入れ替わるという。それはハコア・シドニーシティイーストFCも同様で、野路も「いつクビにされるか分からない。ビクビクしていた」と緊迫した心境だった。
ナショナル・プレミアリーグはAリーグへの昇格がないが、視察の目は行き届いていて目立つ活躍をすれば“個人昇格”できるケースもある。野路も「Aリーグを目指した」が、それは叶わず、ハコア・シドニーシティイーストFCから来季の契約の話もなかった。ビザの期限が切れること、そして25歳という年齢も顧みて帰国。現在は関東2部の社会人リーグに属する横浜猛蹴FCでプレーしている。
「単年契約で、毎年、来年があるかどうか分からない。メンタルは鍛えられたかな」
選手によって契約は異なるし、オーストラリア下部リーグの特性との相性は千差万別あるだろう。だた、少なくとも野路にとっては、かけがえのない3年間だったようだ。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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ナショナル・プレミアリーグでは外国人は2枠まで。成績が伸びなければ助っ人枠をテコ入れする傾向があり、しかもシーズン途中の移籍期間には頻繁に選手が入れ替わるという。それはハコア・シドニーシティイーストFCも同様で、野路も「いつクビにされるか分からない。ビクビクしていた」と緊迫した心境だった。
ナショナル・プレミアリーグはAリーグへの昇格がないが、視察の目は行き届いていて目立つ活躍をすれば“個人昇格”できるケースもある。野路も「Aリーグを目指した」が、それは叶わず、ハコア・シドニーシティイーストFCから来季の契約の話もなかった。ビザの期限が切れること、そして25歳という年齢も顧みて帰国。現在は関東2部の社会人リーグに属する横浜猛蹴FCでプレーしている。
「単年契約で、毎年、来年があるかどうか分からない。メンタルは鍛えられたかな」
選手によって契約は異なるし、オーストラリア下部リーグの特性との相性は千差万別あるだろう。だた、少なくとも野路にとっては、かけがえのない3年間だったようだ。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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